公共工事の1~4月の入札で、不成立となった割合が過去最悪の33.47%に上った。建材価格などの高騰により、業者らは粗利益率の低い公共工事を回避して民間工事の受注割合を増やしている。桃園国際空港の周辺整備など12項目のインフラ建設推進「愛台12建設プロジェクト」による内需拡大を推進する馬英九政権にとって、公共工事離れは解決すべき課題となりそうだ。25日付工商時報が報じた。
今年1~4月の公共工事の入札募集は1万3,038件で、そのうち4,364件が入札不成立となった。昨年1~4月の入札募集は1万932件で、入札不成立は2,924件、不成立の割合は26.75%だった。今年は前年比で入札不成立の割合が6.72ポイントも上昇している。
入札不成立の割合が増加している原因につて、台湾区総合営造工程工業同業公会の潘俊栄理事長は、▽中央・地方政府が予算不足から、補助金に物価上昇分を上乗せしない▽補助金支給条件の基準となる、行政院主計処の建材物価指数が現状に即していない▽新規公共工事の予算額が物価上昇分を反映していない──の3点を指摘している。
工商時報によると、台北市内と桃園国際空港を結ぶ都市交通システム(MRT)空港線の公共工事に関連する入札案件CE02には9回、CE03には5回とも応札がなかった。また、CE01は6回、CA450は5回、入札不成立になっているという。
民間はコスト反映にメリット
大手建設会社の大陸工程(コンチネンタル・エンジニアリング、CEC)事業関係部の周伯濤氏によると、公共工事の粗利益率は平均0~3%。民間建設工事では、実際にかかった費用を発注者が支払う「実費精算契約(コストプラスフィー契約)」の場合、粗利益率が7~8%になるという。
実費精算契約に対し、従来型の契約方式「総価契約」は工種別の内訳を定めず、総額を請負金額とするもので、契約後の物価上昇が請負金額に反映されないことが多い。
このため、大陸工程や工信工程(KSECO)、達欣工程などの老舗の大手各社は、今年に入ってから8月まで、公共工事への応札を減らして実費精算契約方式を採用する民間建設工事の受注を狙ったり、海外市場へ展開を図っている。