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五倍券10月発行へ、小売業に期待感(トップニュース)/台湾


ニュース 商業・サービス 作成日:2021年8月17日_記事番号:T00097818

五倍券10月発行へ、小売業に期待感(トップニュース)/台湾

 蘇貞昌・行政院長は16日、与党・民進党の立法院議員団との会議で、新型コロナウイルス打撃緩和策の一環の振興券「五倍券」について、従来計画していた個人負担1,000台湾元(約3,920円)をなくし、5,000元分を発行する方針を固めた。総予算は1,200億元、9月中旬にも立法院で特別予算を審議し、10月初旬に発行する見通しだ。百貨店業界の関係者は、小売業界最大のイベントである周年慶(創業祭)セール期間に当たり、昨年発行された三倍券の2倍の商機をもたらすと期待感を示した。17日付自由時報などが伝えた。

/date/2021/08/17/00su_2.jpg蘇・行政院長(中)は、自己負担1,000元の5倍の消費ができるという意味の「五倍券」の仮称が、市民の間でも定着しており、「五倍券」の名称は変更しないと語った(16日=中央社)

 行政院の計画によると、五倍券は紙の券と電子方式で発行する。10枚つづりで、▽1,000元券、3枚、▽500元券、2枚、▽200元券、5枚──。民進党の立法院議員団の柯建銘・総召集人は、新型コロナワクチンの接種率を考慮すると、五倍券の発行は10月初旬になるとの見方を示した。経済部関係者によると、使用期限は来年の春節(旧正月、2022年は2月1日)期間まで延びる可能性がある。

 経済部は、電子方式の五倍券利用を促進するため、飲食店で電子方式を使用した場合に、利用額を増額することを計画している。予算は10億元の見通しだ。また、電子方式の五倍券は、全民健康保険カード(健保カード)のシステムを通じて、家族全員分をまとめて受け取れるようにする。

 会議では、新型コロナの市中感染拡大で特に打撃を受けた▽飲食業、▽宿泊業、▽小規模の小売業者──などが早く恩恵を受けられるよう、新型コロナ感染状況が抑制できている条件の下、五倍券の発行を急ぐことを決めた。

 また、五倍券の個人負担をなくすことは、▽行政院主計総処が先日発表した21年の実質域内総生産(GDP)成長率予測値は5.88%と、過去11年で最も高くなる見通しで、経済成長の果実を全市民に還元する、▽行政コストを削減する──との理由で決定した。

 工商時報などによると、個人負担をなくすことで、予算は1,200億元へと、従来計画より200億元増えるようだ。

年末商戦を活性化

 百貨店・ショッピングセンター(SC)大手は、周年慶セールに合わせ、五倍券の使用による優待キャンペーンを計画している。

 百貨店最大手、新光三越百貨は、五倍券による商機は昨年の三倍券の2倍以上と予測した。

 遠東百貨(ファーイースタン・デパートメント・ストアズ)はキャンペーン実施により、五倍券の利用額は15億元と、昨年の三倍券の9億元を66%上回ると予想した。

 遠東そごうは、周年慶セールに限らず、クリスマス、春節まで商機が続くと予測した。特に新型コロナ域内感染で深刻な打撃を受けた館内飲食店の大型キャンペーンを実施する。昨年の三倍券利用者が、遠東そごうの全店舗で40万人だったことから、今年の五倍券で業績が倍増すると予測した。

 

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