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TSMC、1〜2割値上げか(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2021年8月25日_記事番号:T00097960

TSMC、1〜2割値上げか(トップニュース)/台湾

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が受託生産価格を10%以上値上げするとの市場の観測を台湾の大手紙が一斉に報じた。25日付工商時報によると、TSMCは過去数年値上げしておらず、今年は値上げ観測が相次いだが、年初来一度も値上げしていなかった。経済日報によると、10月から12ナノメートル以降の先進プロセスは10%値上げ、12ナノ以前の成熟プロセスは20%値上げすると、TSMCが顧客のIC設計会社に通知したという。TSMCはノーコメントだ。

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 電子時報は、TSMCは24日にIC設計会社の▽聯発科技(メディアテック)、▽瑞昱半導体(リアルテック・セミコンダクター)、▽聯詠科技(ノバテック・マイクロエレクトロニクス)──など多くの顧客に対し、12月からの新規受注について、16ナノ以前の製造プロセスで全面的に20%値上げすると通知したと伝えた。また、IC設計会社の情報として、2022年から先進プロセスを1割値上げするとも伝えている。

 工商時報は、22年第1四半期より7ナノ以降の先進プロセスを10%値上げ、16ナノ以前の成熟プロセスを10〜20%値上げすると報じた。

材料価格上昇も一因

 昨年第4四半期から半導体の供給逼迫(ひっぱく)が続く中、今年に入り、聯華電子(UMC)、力晶積成電子製造(パワーチップ・セミコンダクター・マニュファクチャリング、PSMC)などが次々と値上げしている。最高額を提示した顧客に生産能力を割り当てるオークション方式も導入され、今年通年の累計値上げ幅は5割に上ると推測されている。

 業界関係者は、TSMCは今年、慣例として実施してきた値引きを取りやめたり、高圧製造技術など一部の製造プロセスで値上げしたりするにとどめていたと説明。7月以降、ファウンドリーとIC設計会社が来年の生産能力や価格について協議する中で、TSMCが12インチは20%値上げ、8インチは10%値上げするとの情報が出ていたと明かした。

 TSMCは22年下半期に3ナノプロセスが量産に入り、24年にも2ナノプロセスが量産に入る計画で、先進プロセスへの大規模な投資が続いている上、成熟プロセスも生産能力不足が深刻で、設備投資が大幅に増加しているため、値上げが必至な状況だ。

 証券会社は、ファウンドリーに必要な材料価格が上昇していることも値上げの理由で、TSMCの第3四半期の粗利益率は50%にとどまるが、来年は53%まで回復すると予測した。

【図】

 

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