ニュース 電子 作成日:2021年8月31日_記事番号:T00098128
市場の観測によると、アップルが9月に発売するとみられる腕時計型ウエラブル(装着型)端末の新製品、Apple Watch(アップルウオッチ)シリーズ7は、中国の電子機器受託生産大手、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー)が新製品導入(NPI)過程の審査を通過できていないようだ。ラックスシェアはアップルウオッチシリーズ7の4割以上を受注しており、2位、3位サプライヤーの鴻海精密工業や仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)の受注が拡大する可能性がある。31日付経済日報などが報じた。
中国メディアの報道によると、ラックスシェアの浙江省嘉善工場では製品の審査が通らなかったことが原因で、返品や賠償を求められているほか、従業員を大量解雇しているとのうわさが立っている。ラックスシェアは30日、事実ではないと否定した。
ラックスシェアは、量産プロセスにおいて各工場で、川上や川下サプライヤーの部材供給に問題が生じ、臨時の調整を行っているが、同生産ラインの従業員は他工場の応援に充てて、勤務させていると釈明した。
難易度上昇が原因か
市場では、アップルウオッチシリーズ7のフレームが、従来の丸みを帯びたデザインから角張ったデザインに変更するとの観測が出ており、組み立ての難易度が従来より高まっているようだ。
業界関係者によると、ラックスシェアは今年7月下旬にも、アップルウオッチシリーズ7のフレームや有機EL(OLED)の機構部品の設計に問題があり、アップルの認証を通過できなかったとの観測が浮上していた。
証券会社は、アップルが急きょ、アップルウオッチの発注を他のメーカーに追加するとなれば、鴻海が最も恩恵を受けると予想した。
薄利でクアンタ辞退か
ラックスシェアの問題発生に関して業界では、アップルウオッチの組み立ては複雑で、中国の紅色供給網(レッドサプライチェーン)にとってもそれほど簡単ではないとの見方が出ている。
受託生産大手の広達電脳(クアンタ・コンピューター)は2014年より20年までアップルウオッチでアップルと提携し、15年発売の初代アップルウオッチとアップルウオッチシリーズ2の組み立ては独占的に手掛けていた。シリーズ3の販売好調を受け、シリーズ4でコンパルが、シリーズ5でラックスシェアがサプライヤーに加わり、クアンタは手を引いた。クアンタの林百里(バリー・ラム)董事長は当時、稼げる商品に選択と集中すると述べていた。
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