ニュース 電子 作成日:2021年9月7日_記事番号:T00098243
鴻海精密工業の劉揚偉・董事長は6日、電気自動車(EV)の第3世代半導体需要は、供給をはるかに上回っており、台湾にとって絶好の機会だと指摘した。その上で、EVのサプライチェーン構築により、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などの第3世代半導体が、台湾の新たな基幹産業になると話した。鴻海は昨年10月にEVのオープンプラットフォーム、MIH聯盟を設立し、今年8月にはEVに用いるSiCパワー半導体を生産するため、メモリー大手、旺宏電子(マクロニクス・インターナショナル、MXIC)の6インチウエハー工場の年内取得を発表するなど、EV事業を強化している。7日付工商時報などが報じた。
劉・董事長は6日、半導体業界の展示会、国際半導体展(セミコン台湾)のオンラインフォーラムで、台湾の第3世代半導体の勝者の戦略について講演した。
劉・董事長は、EV1台当たりSiC半導体が60個必要だが、6インチウエハー1枚当たりSiC半導体は500個足らず、EV8台分しか生産できないと指摘し、EVの半導体需要が供給を大きく上回ると強調した。
劉・董事長は、現在のEVの課題として、▽充電時間が長い、▽航続距離が短い、▽ガソリン車より高価格──を挙げ、マクロニクスの6インチ工場取得によりこれらの問題を解決したいと述べた。
また劉・董事長は、EVのコスト構造をみると、バッテリーが3〜4割、半導体が3割を占め、うちパワーデバイス関連が最大を占めると指摘した。
鴻海は、マクロニクスから年内に取得する6インチ工場のほか、▽シャープ福山セミコンダクターの8インチ工場、▽5%を間接出資したシルテラ・マレーシアの8インチ工場──の生産能力を有しており、主に、▽パワーデバイス、高周波(RF)デバイス、▽相補性金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサー(CIS)──などに注力する。
半導体人材不足が課題
新たな基幹産業育成の問題は人材不足で、劉・董事長は、2021年の台湾の半導体人材は2万8,000人以上不足しているが、半導体関連学科の卒業生は毎年1万2,000人未満だと指摘した。EV産業の発展期を迎え、今後も半導体人材需要の増大が確実だとして、政府に対し半導体人材育成を訴えた。
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