ニュース 電子 作成日:2021年9月10日_記事番号:T00098324
鴻海精密工業のサブグループ、S次集団(半導体事業群)の陳偉銘・総経理は9日、年内に取得する予定の新竹科学園区(竹科)の6インチウエハー工場のロードマップとサプライヤーを明らかにした。第3世代半導体の炭化ケイ素(SiC)半導体は、鴻海グループ傘下企業のほか、SiC基板の漢民科技(エルメス・エピテック)グループや、パッケージング(封止)の朋程科技(アクトロン・テクノロジー)などの協力を得て、鴻海が主導する電気自動車(EV)のオープンプラットフォーム、MIH聯盟向けに生産する。10日付電子時報などが報じた。
鴻海は8月に、半導体メモリー大手、旺宏電子(マクロニクス・インターナショナル、MXIC)から竹科の6インチウエハー工場を年内に取得すると発表したところだ。MIH聯盟はこれまでに世界の1,800社以上が加盟している。
SiC半導体のサプライチェーンは、▽漢民科技、SiC基板、▽漢民科技傘下の嘉晶電子(エピシル・プレシジョン、EPI)、エピタキシャル──などで、鴻海傘下の研究開発(R&D)機関、鴻海研究院がIC設計を手掛ける。
後工程は、アクトロンに封止を委託する。鴻海が主導するEVのオープンプラットフォーム、MIH聯盟がモジュールのシステム統合を手掛ける。
陳・総経理は、SiC半導体はEV向けのほかに、▽太陽光発電向けインバーター、▽充電スタンド、▽工業用モーター──などにも応用できると話した。
MEMS赤外線センサーも
竹科6インチ工場では、微小電子機械システム(MEMS、メムス)による赤外線(IR)センサーも生産する。
MEMS赤外線センサーは、鴻海傘下の珠海凌煙閣芯片科技(LYG)がIC設計を手掛け、同欣電子工業が真空封止を、鴻海が投資する新煒科技(ポライト・テクノロジーズ)がモジュールを、龍光企業(ギャリソン)が組み立てを手掛ける。
MEMS赤外線センサーは、▽EVでの自動運転のレベル4~5(特定条件下での完全自動運転~完全自動運転)向けナイトビジョン(暗視装置)システム、▽工業制御、▽スマート建築、▽医療の検査測定──などに応用できる。
半導体商機500億ドル
陳・総経理は同日、国際半導体製造装置材料協会(SEMI)と共催のオンラインフォーラムで講演した。鴻海は半導体を毎年500億米ドル以上調達しており、世界の半導体生産額の11%に相当すると説明。半導体の自製のため2016年にS次集団を立ち上げ、川上から川下まで▽設備、▽IC設計、▽IC製造、▽ICモジュール、▽IC販売──などを擁していると述べた。
また、完成車のコストに占める半導体の割合は以前は1%足らずだったのが、今や35%まで拡大したと指摘。今後、自動運転のレベル3(条件付き自動運転)、先進運転支援システム(ADAS)、車載インフォテインメント(情報・娯楽)システム(IVI)などで、先進プロセスの半導体の採用が進むと予測した。
また、陳・総経理は、鴻海は顧客と各種ICの研究開発を進めていると述べた。うち車載用エレクトロニックコントロールユニット(ECU、電子制御ユニット)に用いられるICについて、シリコンIP(知的財産)プロバイダー、力旺電子(イーメモリー・テクノロジー)と、セキュリティーチップのプラットフォームを共同開発していると明かした。
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