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台湾高鉄、外資系銀行から借り入れ検討


ニュース 運輸 作成日:2008年8月29日_記事番号:T00009884

台湾高鉄、外資系銀行から借り入れ検討

 
 台湾高速鉄路(高鉄)は28日、低金利への融資へと借り換えを図るため、外資系銀行から3,500億台湾元(約1兆2,000億円)前後の借り入れを検討していることを明らかにした。29日付経済日報が報じた。

 高鉄の累積赤字は6月末時点で資本金の半分に当たる535億元に達した。赤字が一向に減少しない理由としては、借入金の利払いや減価償却費がかさんでいることが要因として挙げられる。高鉄が当初借り入れた銀行団融資の平均金利は年8%に達し、現在の市場平均の年3%とは大きな隔たりがある。

 しかし、外資系銀行からの借り入れには障害もある。債権銀行は高鉄からの安定した金利収入が外資系銀行に奪われることに抵抗を示すのは確実だ。現在債権銀行団の幹事行である兆豊銀行は、「高鉄への融資は巨額かつ長期にわたるもので、米ドル建ての借り入れには為替ヘッジも必要になり、外資系銀行が融資に応じるとは限らない」とけん制した。また、数百億米ドルもの融資資金が台湾に流入すれば、台湾元に上昇圧力がかかるため、中央銀行が慎重な姿勢を示す恐れもある。

 高鉄の売上高は今年7月に20億元を超え、利息と減価償却費を除くと損益分岐点に達している。年初から8月9日までの運賃収入は140億元に上り、昨年通年の数値を上回った。