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航空2大手、上半期業績が過去最悪に


ニュース 運輸 作成日:2008年8月29日_記事番号:T00009901

航空2大手、上半期業績が過去最悪に

 
 国際原油価格高騰による航空燃油の値上がりを受け、中華航空(チャイナエアライン)と長栄航空(エバー航空)は上半期、2社合計で過去最悪となる約125億台湾元(約434億円)の損失を記録した。航空燃油価格は7~8月に1バレル150米ドルのピークを迎えているため、旅客便ハイシーズンの第3四半期も両社は利益計上は見込めず、損失を減らすべく努力するほかないようだ。29日付工商時報などが報じた。
  
原油1ドル上昇でコスト5億元増
 
 航空燃油は上半期、1バレル平均約125米ドルとなり、昨年平均の76米ドルから60%以上の値上がりとなった。国際原油価格が1米ドル上がると航空会社のコストは通年で約5億元増えるとされ、今年は通年で100億元以上増加するとみられる。航空会社はこれまでにない厳しい状況に立たされている。

中台直航便、低い貢献度
 
 中華航空の上半期売上高は634億元で、6.4%の年成長率を維持した。しかし同期は燃油支出だけで112億元増加し、燃油コストは全体の約50%に達して利益を大幅に浸食した。上半期の粗利益率はわずか0.23%で、純損失は65億2,900万元に上った。

 中華航空では、第3四半期も燃油コスト圧力は依然強いとしており、7月に中台直航週末チャーター便が就航して20%という高い利益率を維持しているものの、便数が少なく業績への貢献は小さい。

 一方エバー航空も、上半期売上高は462億2,700万元で3.86%の年成長率を保ったものの、原油高が響き、純損失59億6,700万元を計上した。

 第4四半期には燃油価格が1バレル140米ドルまで下がるとみられることから、業界では損益均衡の回復に期待を寄せている。
 
9月から国際線で大幅減便
 
 エバー航空は業績の悪化を受けて、9月から運航スケジュールの大幅な調整を行う。

 9月1日より、オークランド(ニュージーランド)線を運航停止、米国路線ではロサンゼルス線を週17便から11便へ、サンフランシスコ線を12便から10便、シアトル線を5便から4便に減便する。その他アムステルダム線を4便から3便に減らし、東南アジア路線でも一部調整を行うとしている。また中台直航便の就航を受けて香港線も週55便から49便に減らす。

 聶国維同社副総経理によると、今回の減便は新型肺炎(SARS)の流行した2003年以来最大規模の調整で、航空券料金についても「9月から旅行オフシーズンに入るが、例年のような大幅な値下げは行わず、夏休みシーズンの価格を維持する」と語っている。

 中華航空では6月から既に便数の調整を進めており、9月はシアトル線を運航停止とする以外は大きな減便はないとしている。外国籍の航空会社では、ユナイテッド航空が台北~サンフランシスコ直航便を停止し、マレーシア航空は台北~ロサンゼルス線を週7便から3便へ、シンガポール航空は10月から台北~ロサンゼルス線を運航停止とする。
  
T000099012