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澎湖のサンゴ礁、2月の低温で絶滅の危機


ニュース 社会 作成日:2008年9月1日_記事番号:T00009904

澎湖のサンゴ礁、2月の低温で絶滅の危機

 
 澎湖県で今年2月、30年ぶりの寒波によって魚が低温死し、大量の魚の死骸(しがい)が沿岸を埋め尽くしたことは記憶に新しい。寒害による漁業、養殖業の損失は1,800トン、総額3億5,000万台湾元(約12億円)にも上った。

 同県が8月30日に発表した低温被害の調査結果によると、今回の魚の低温死は中国から南下した寒流が原因だったことが判明した。行政院農業委員会水産試験所澎湖海洋生物研究センターの統計では、寒害で死亡した魚は、すべてがサンゴ礁を住み家とする60科目217種類に上った。最も被害が大きかったのは、閉鎖的な水域の内海エリアで、海水が入れ替わるスピードが遅いため低温が長時間にわたったことが原因だ。

 澎湖ではサンゴ礁も深刻な被害を受けており、最も低い水温を測定した北海エリアの姑婆嶼では、サンゴの被覆率が3年前より40.3%も低くなっていた。同エリアではハナヤサイサンゴやアザミサンゴはほぼ全滅。サンゴと共棲する魚やエビ、貝なども激減しており、澎湖諸島全体のサンゴ礁が以前のようにまで復活するには30年かかるという。

 死亡したサンゴに大量の藻が発生し、その藻をエサにするガンガゼ(ウニの一種)が増えているほか、澎湖県の特産物「青海菜」(ヒトエグサ)も激増しており、生産高は1993年以来の最高を記録。これまで澎湖では見られなかった新種の藻も発見されている。

 地元の漁師によれば、以前は一晩で1キロしかとれなかったフトミゾエビが、今では10キロも取れるとか。魚類という天敵が減ったことで、今後はタカサゴやエビ、カニが増えるとみられている。