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和泰汽車、22年から初任給20%引き上げへ(トップニュース)/台湾


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2021年10月22日_記事番号:T00099083

和泰汽車、22年から初任給20%引き上げへ(トップニュース)/台湾

 トヨタ自動車の台湾総代理店、和泰汽車は、2022年から初任給を4万台湾元(約16万3,000円)以上へと、従来から20%引き上げることを董事会で決定した。自動車業界で十数年ぶりの初任給引き上げだ。半導体などハイテク業や金融業との初任給の格差を縮め、和泰汽車が推進するMaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス、マース)戦略に必要な、情報技術(IT)人材やデジタル人材などを含む優秀な若手の採用を増やす。22日付工商時報が報じた。

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 和泰汽車は近年、MaaS戦略に基づき、▽無人レンタカーサービス「iRent(アイレント)」、▽アプリによるタクシー配車サービス「yoxi」、▽モバイル決済サービス「和泰Pay」、▽会員ポイントサービス「和泰Points」──などを展開しており、IT人材やデジタル人材の需要が高まっている。

 ただ和泰汽車は、自動車業界の他の企業と同様に、初任給を低く設定し、成果に応じて高い報奨金を支給する給与体系を取っている。このため現在の初任給は、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)などのハイテク企業や、金融グループが幹部候補に提示している4万〜5万元を下回っており、若手の優秀な人材獲得に苦戦していた。

 和泰汽車は今年初め、初任給の10%引き上げ案を董事会で検討したが、これではハイテク業や金融業との差は依然大きいとして、取り下げていた。また政府が10月、基本工資(最低賃金)を2022年1月1日から月給で2万5,250元へと、5.21%引き上げると決定。和泰汽車はこれを加味し、来年からの初任給の引き上げ幅を20%とすることを決定した。今年の新入社員にもさかのぼって適用する見通しだ。

 台湾証券交易所(台湾証券取引所、TWSE)によると、和泰汽車は従業員の20年平均給与が288万4,000元で、前年比11.4%増加した。上場企業で11位で、自動車業界では首位だ。福利厚生費は324万8,000元。

 また、21年は平均2.9%の賃上げを実施し、賃上げ幅は業界首位だった。

同業他社、追随の予定なし

 自動車最大手の和泰汽車の初任給引き上げに対し、同業の上場企業は、今のところ追随の予定はなく、若手採用で不利になるとの懸念を示した。

 韓国の現代自動車(ヒョンデ・モーター)の台湾総代理店、南陽実業を傘下に持ち、生産も手掛ける三陽工業(SYM)は、21年は平均2%の賃上げを実施した。賃上げ実施は6年連続。従業員の20年平均給与は93万3,000元、前年比24.6%増加し、増加幅が業界で最大だった。

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