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台湾セメントが高容量電池工場、高雄で23年稼働(トップニュース)/台湾


ニュース その他製造 作成日:2021年10月26日_記事番号:T00099141

台湾セメントが高容量電池工場、高雄で23年稼働(トップニュース)/台湾

 セメント最大手、台湾水泥(台湾セメント、TCC)傘下の三元能源科技(モリー・クアンタム・エナジー)は25日、台湾初の高容量電池工場に着工した。高雄市小港区の台湾セメントの工場跡地で2023年に完工、稼働予定だ。投資額は120億台湾元(約490億円)。生産能力は1.8ギガワット時(GWh)で、電気自動車(EV)のうち1,000万元以上のスポーツカーや、宇宙技術向けにカスタマイズしたハイエンド電池を製造する。26日付経済日報などが報じた。

/date/2021/10/26/00tcc_2.jpg張・董事長(中)は、半導体製造業のような高度な製造プロセスの自動化を図るため、小港工場では高学歴のエンジニアや研究開発(R&D)人材100人以上を募集すると述べた(台湾セメントリリースより)

 台湾セメントの張安平・董事長は、生産能力1.8ギガワット時とは、EVが長距離運転に必要とする電池容量に換算すると年間2万4,000台程度で、世界の自動車市場から見れば規模は小さいと説明した。その上で、小港工場はパイロットモデルであり、成功すれば、世界各地に同様のモデルの工場を増やしていくと表明した。

 また張・董事長は、小港工場で生産する電池は、将来的にはエネルギー貯蔵設備向けなどの分野にも応用できると話した。

 小港工場が稼働すれば、台湾セメントのグループ全体の電池生産能力は、傘下のリチウムイオン電池最大手、能元科技(E-One・モリ・エナジー)の台南工場と合わせ、計3.2ギガワット時となる見通しだ。

 張・董事長は、電池、エネルギー貯蔵システムなどを一貫生産できるグリーンエネルギー産業のサプライチェーンを構築していくと語った。

豪でエネ貯蔵設備受注

 張・董事長はエネルギー貯蔵システム事業について、傘下のフランスのNHOA(ニュー・ホライゾンズ・アヘッド、ノア、旧エンジーEPS)が先ごろ、オーストラリア南部で200メガワット時(MWh)のエネルギー貯蔵システムの設置案件を、現地の電力会社、シナジーから受注したと明かした。

 台湾セメントは7月、NHOAの買収を完了し、エネルギー貯蔵システムの設置容量で世界4位に浮上した。

 台湾域内では、花蓮県の和平工業区と宜蘭県蘇澳鎮のセメント工場で計472.5メガワット時と、台湾で最大規模のエネルギー貯蔵システム設置を9月に決定していた。

50年脱炭素を視野

 張・董事長は、小港工場設置やエネルギー貯蔵システムへ投資している理由について、本業のセメント事業では製造過程で石灰石を長時間加熱する必要があり、現在の技術では排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ(カーボンニュートラル)」を達成することが難しいためと説明した。

 環境保護署(環保署)が推進する、企業活動による二酸化炭素(CO2)排出量に応じて徴収する「炭素費用(カーボン・フィー)」制度の導入計画については、排出量取引との抱き合わせでの実施が必要で、企業の温室効果ガス削減の誘引となると見解を示した。

 

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