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LCYがアリゾナにIPA新工場、TSMCに供給へ(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2021年11月4日_記事番号:T00099329

LCYがアリゾナにIPA新工場、TSMCに供給へ(トップニュース)/台湾

 化学品大手、李長栄化学工業(LCYケミカル、栄化)は3日、米アリゾナ州で電子工業用のイソプロピルアルコール(IPA)工場を設置すると発表した。2022年第1四半期に着工し、大口顧客のファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)のアリゾナの5ナノメートル製造プロセス新工場の量産入りに合わせ、2024年初めに完工予定だ。初期の年産能力は3万トンで、投資額は1億米ドル。LCYの劉文龍・総経理は、TSMCは日本工場を計画しており、必要であれば、LCYも日本工場を設置して供給すると述べた。4日付経済日報などが報じた。

/date/2021/11/04/00lcy_2.jpg劉・総経理。LCYは、IPA事業の売上高構成比を25年に全体の3分の1へと、現在の約2割から引き上げる計画だ(LCYリリースより)

 高純度の電子工業用のIPAは、ハイエンドの半導体製造の洗浄工程に使用される。劉・総経理は、7ナノ以降の製造プロセス向けに供給できるのは、LCYと日本企業の計2社だけだと説明した。

 LCYのアリゾナ新工場は、TSMC以外に、米国の顧客2〜3社と受注交渉中だ。劉・総経理は、第1期工場の年産能力は3万トンだが、同社が取得した土地は面積が広いため、今後拡張もあり得ると述べた。

中科新工場も24年稼働へ

 LCYは同日、中部科学園区(中科)での電子工業用のIPA新工場の設置も発表した。JSRの液晶ディスプレイ(LCD)用材料の製造販売を手掛ける子会社、台湾捷時雅邁科(JSRマイクロ台湾、JMW)の工場を購入し、22年に拡張工事に入る。24年初めの完工を目指す。年産能力は3万トン。投資額は19億台湾元(約78億円)。

 劉・総経理は、域内の半導体メーカーは新竹や台中に集中しており、これまでは高雄工場から輸送していたため、中科新工場の設置によって輸送コストや温室効果ガス排出量の削減を図ると述べた。

 LCYは、IPAの既存の生産拠点が高雄市と中国江蘇省鎮江市にあり、年産能力はそれぞれ5万トン、1万トンだ。アリゾナ新工場、中科新工場が稼働すれば、LCYの年産能力は倍増する見通しだ。

 LCYはこのほか、電動自動車(EV)や折り畳み式(フォルダブル)ディスプレイ向けに応用可能な、▽バイオベースのコハク酸、▽熱可塑性エラストマー(TPV)、▽透明ポリイミド(CPI)──などの新製品を、高雄市楠梓区の循環材料イノベーション研究開発(R&D)基地で開発したと発表した。過去3年間の投資額は20億元。

 

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