ニュース 電子 作成日:2008年9月1日_記事番号:T00009935
1日付工商時報が設備メーカーの観測として伝えたところによると、台湾積体電路製造(TSMC)と聯華電子(UMC)のファウンドリー2強は、世界的な不景気による末端需要の落ち込みを受けて、第3四半期のウエハーの前期比出荷量がTSMCでわずか5%増、UMCで2~3%減と、市場の当初予測より落ち込む見通しだ。例年のオフシーズンである第4四半期の前期比出荷量はさらに10%減少する恐れもある。
ファウンドリー2強の受注落ち込みは9月から始まり、▽クアルコム▽聯発科技(メディアテック)▽テキサス・インスツルメンツ(TI)▽AMD▽エヌビディア▽マーベル──などのメーカーからの、▽通信用チップ▽グラフィックチップ▽ゲーム用チップ▽光ストレージチップ──受注が減少する。
第4四半期は引き続き、▽マーベル▽ブロードコム▽ケンブリッジ・シリコン・ラジオ(CSR)▽オムニビジョン──などからの、▽ゲーム用チップ▽光ストレージチップ▽ブルートゥースチップ▽デジタルテレビおよびセットトップボックス用チップ▽LCDドライバチップ──などの受注が削減となる見通しだ。通信用チップとグラフィックチップの受注減も続き、外資系証券会社ではファウンドリー2強の第4四半期のウエハー出荷量は前期比で10%減と予想している。また、さらに悲観的な見方では15%減という見方も出ている。
来年Q1は好調
ただ、上流顧客による在庫調整は年末前に一段落する見通しで、これまでに景気循環のパターンから欧米市場では年末のハイシーズンに一定の消費が生まれるとみられることから、オフシーズンである来年第1四半期のウエハー出荷の前期比減少幅は、5%以下にとどまると予想される。例年、第1四半期の前期比減少率は5~10%の範囲のため、好業績が期待できる。
封止・検査、業績連動性が低下
なお、▽日月光半導体(ASE)▽矽品精密工業(SPIL)▽京元電子(KYEC)──など、後工程のパッケージング・テスティング(封止・検査)の第4四半期の前期比売上減少幅は4~7%と予想され、ファウンドリー2社ほどには悪化しない見通しだ。
この理由としては、製造プロセスが65ナノメートルまで進んだことで、シングルウエハープロセスによる生産が大幅に増えたこと、およびDRAMなどメモリ製造メーカーによるビット成長率向上に伴う受注量増加が挙げられる。
封止・検査メーカーは、メモリ製造メーカーやIDM(垂直統合型の大手半導体メーカー)からの受注比率が向上しており、従来のようなファウンドリーとの業績の連動性は低下する傾向にある。
インテル▽TI▽STマイクロエレクトロニクス▽NXPセミコンダクターズ▽ルネサステクノロジ▽インフィニオン・テクノロジーズ──などのメーカーの封止・検査の外部委託率は今年第1四半期末の時点で約10%だったが、年末には15~20%に高まるとみられる。こうした傾向が台湾の封止・検査業界に恩恵をもたらすとみられる。
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