ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

陳前総統の釈明に矛盾、前調査局長が記者会見


ニュース 政治 作成日:2008年9月3日_記事番号:T00009972

陳前総統の釈明に矛盾、前調査局長が記者会見

 
 陳前総統ファミリーのマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑のもみ消しを図ったとして懲役2年6月を求刑されている葉盛茂・前法務部調査局長は2日記者会見を開き、昨年1月の段階で呉淑珍夫人の資金洗浄疑惑を陳前総統に報告していたことを明らかにした。陳前総統は先月「呉夫人が選挙の余剰金を海外に送っていたことを今年1月に初めて知った」と謝罪会見で語ったが、葉前局長の指摘が正しければ陳前総統はうその会見を公然と行ったことになる。3日付蘋果日報などが報じた。 
T000099721

会見で謝罪する葉前局長だが、意図的な事件もみ消しを行った「情実局長」というイメージは依然消えていないようだ
(2日=中央社)
 
 葉前局長はまた、今年2月に陳前総統の長男の嫁である黄睿靚氏の資金洗浄疑惑を報告する公文書を、陳前総統に直接手渡していたことも明らかにした。これに対し陳前総統の事務所は「葉前局長が提供したのは2件の『情報』であり、正式な公文書ではなかった」と否定した。公文書の隠匿は、台湾の刑法では5年以下の懲役に問われる。同事務室はまた、昨年1月に資金洗浄疑惑の報告を行ったという葉前局長の指摘を否定し、「陳前総統はうそをついていない」と強調した。

 葉前局長が疑惑の過程を暴露したのは、職責を全うしていたと潔白を主張することで世論の同情を買い、罪の軽減を図る目的があるとみられている。しかし、3日付中国時報によると、職務で知り得た内容を暴露した涜職罪(3年以下の懲役)や、「犯罪の事実を知りながら訴追しなかった」ことで職権乱用罪(最大懲役7年)に問われる恐れもある。

 なお、検察は事件の経過を詳しく知るため、陳前総統と葉前局長を召喚し、互いに質問を行わせる可能性もあるという。