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太陽電池のインベンテック・ソーラー、破産申請(トップニュース)/台湾


ニュース その他製造 作成日:2021年12月2日_記事番号:T00099845

太陽電池のインベンテック・ソーラー、破産申請(トップニュース)/台湾

 電子機器受託生産大手、英業達(インベンテック)は1日、47.65%出資する太陽電池メーカー、英穏達科技(インベンテック・ソーラー・エナジー)が桃園地方法院(地方裁判所)に破産を申し立てたと発表した。負債総額が22億1,200万台湾元(約90億円)に上り、返済不能になったためだ。インベンテック・ソーラーは現在主流の裏面不動態型セル(PERC)を生産するための設備更新が進まず、太陽光発電業界での中国メーカーの参入や欧米の関税率引き上げなどの環境の変化に対応できなかった。2日付経済日報などが報じた。

/date/2021/12/02/00solar_2.jpg・副総経理は、インベンテックは当面、太陽光発電事業への投資はしないと語った(1日=中央社)

 インベンテックの游進宝・副総経理は、海外メーカーとの低価格競争が激化していたほか、新型コロナウイルスの感染拡大によって太陽光発電業界の景気悪化に拍車が掛かっていたと指摘。インベンテック・ソーラーは赤字拡大に耐えきれなくなり、昨年時点で稼働を停止していたと説明した。

 游・副総経理によると、インベンテック・ソーラーの設備など帳簿上の資産はわずか9億〜10億元で、債務を弁済できなくなり、破産の申し立てを決定した。インベンテックは、インベンテック・ソーラーの減損処理を完了しており、業績に影響はない。

 同業大手、茂迪(モテック・インダストリーズ)の葉正賢・総経理は、インベンテック・ソーラーの破産申し立てに驚いたが、意外なことではないと語った。インベンテック・ソーラーの設備で生産できるのは、従来型の多結晶シリコン太陽電池までで、競争力に欠けていたと分析した。近年は変換効率の高いPERCが主流となっており、モテックは次世代電池・モジュールへの設備投資も開始していると指摘した。

太陽光発電投資に終止符

 インベンテックは2010年に、インベンテック・ソーラーをガリウムヒ素(GaAs)ファウンドリー世界最大手、穏懋半導体(ウィン・セミコンダクターズ)との合弁で設立し、太陽光発電事業に参入した。11年には太陽電池メーカーの益通光能科技(イートン・ソーラーテック)に47.97%出資し、筆頭株主となったほか、英懋達光電(インベンテック・エネルギー)にも出資。一時は太陽電池メーカー3社を傘下に収めていた。

 しかし、太陽光発電業界の景気悪化などに伴い、インベンテックは近年、太陽光発電事業への投資を縮小。インベンテック・ソーラーが17年、インベンテック・エネルギーを合併し、イートンは20年4月に解散していた。今回のソーラーテックの破産手続きが完了すれば、インベンテックは太陽光発電事業に終止符を打つことになる。

 インベンテックのほか、▽ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)、▽ファウンドリー大手、聯華電子(UMC)、▽電源装置大手の台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)、▽家電大手、大同(TATUNG)──なども太陽光発電事業に投資していたが、数十億〜数百億元の赤字を計上し、TSMCなどは撤退した。

 

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