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電源管理IC価格1割上昇、来年上半期まで供給逼迫か(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2021年12月7日_記事番号:T00099917

電源管理IC価格1割上昇、来年上半期まで供給逼迫か(トップニュース)/台湾

 市場調査会社、集邦科技(トレンドフォース)は6日、電源管理IC(PMIC、パワーマネジメントIC)の価格上昇の勢いは止まらず、2021年の平均販売価格(ASP)は0.23米ドルと、前年の0.21米ドルから9.5%上昇すると予測した。過去6年で最大の上昇幅となる見通しだ。▽消費者向け電子製品、▽通信、▽工業用制御装置、▽自動車──など末端需要の増加が続いている上、製品の世代交代が進み、世界で電源管理ICの使用量が大幅に増加しているためだ。電源管理ICの供給ひっ迫は22年上半期まで続く見通しだ。7日付自由時報などが報じた。

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車載用の納期、1年後も

 トレンドフォースによると、消費者向け電子製品向けのリードタイム(発注から納品までにかかる時間)は12〜26週(約2.76カ月〜半年)、車載用は40〜52週(約9.2カ月〜1年)まで延びている。1社しか生産していない一部型番は、新規受注の見合わせも出ている。

 電源管理ICは、消費者向け電子製品に最も多く使用されている。▽グーグルのOS(基本ソフト)「クロームOS」搭載「クロームブック」などノートパソコン、▽スマートフォン、▽テレビ──などの需要鈍化で、低損失型リニアレギュレーター(LDO)などの調達は落ち着いたものの、一部型番は供給ひっ迫が続いている。

 車載向け電源管理ICは、22年末までIDM(垂直統合型の半導体メーカー)の受注が満杯となっている。電気自動車(EV)やカーエレクトロニクス、先進運転支援システム(ADAS)市場の急成長により、電源制御や電源管理、充電技術に対する要求レベルも上がっている。

IDMの値上げも

 電源管理ICの製造は主にIDMが手掛けており、▽テキサス・インスツルメンツ(TI)、▽インフィニオン・テクノロジーズ、▽アナログ・デバイセズ(ADI)、▽STマイクロエレクトロニクス、▽NXPセミコンダクターズ、▽オン・セミコンダクター、▽マイクロチップ・テクノロジー、▽ルネサスエレクトロニクス、▽ローム──など。ファウンドリーに生産を委託しているIC設計大手のクアルコム、聯発科技(メディアテック)を合わせると、市場シェアは80%以上に上る。

 クアルコムやメディアテックは、ファウンドリーの成熟プロセスの生産能力ひっ迫を受け、電源管理ICの供給がタイトな状況だ。トレンドフォースによると、第4四半期も電源管理ICの供給ひっ迫は続き、IDMによる値上げで、価格は高止まりする見通しだ。

 一方、新型コロナウイルス感染状況が不確定要素ながら、22年下半期にはテキサス・インスツルメンツの米国の12インチ新工場「RFAB2」が完工、量産に入る予定であることや、ファウンドリーが電源管理ICの一部生産を8インチ工場から12インチ工場に移行することで、供給不足が緩和する可能性が高いと分析した。

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