企業の求人数が第4四半期に大きく落ち込む見通しだ。行政院労工委員会(労委会)の調査によると「第4四半期に従業員を増やす」と答えた企業はわずか12%で、「現状維持」が約82%、「削減する」が6%となった。第4四半期の雇用者純増数は、昨年の約4分の1の水準まで一気に縮小することになる見通しだ。世界的な景気後退から多くの企業が人員の採用に消極的になっており、就職氷河期は年内いっぱいは続くとみられる。3日付自由時報が報じた。
労委会の調査は、今年7月21日~8月10日にかけて、従業員数30人以上の域内企業を対象にアンケート形式で行われた。有効回答数は3,089社。
調査結果によると、第4四半期に予定される新規雇用者数3万3,000人から、削減予定の2万7,000人を差し引いた予測純増数は6,286人。これは2年前の調査開始以来最低の数字で、昨年同期の純増数2万3,000人余り、および今年第3四半期の同3万9,000人を大きく下回っている。
82%が「現状維持」
業種別では特に、製造業と小売・卸売業の求人が激減するとみられる。製造業では昨年同期の約1万6,000人増から今年は約1,600人増へと10分の1に、小売・卸売業では昨年同期の約4,100人増から今年はわずか100人増と大幅な縮小が予想される。さらに、文化・スポーツ・レジャーサービス業と建設業では、大幅な人員削減が実施される見込みだ。
労委会統計処の陳金誠統計長は、「昨年同期、従業員数について『現状維持』と答えたのは約60%だったが、今年は82%にまで増加しており、企業の多くが雇用増に消極的となってることが分かる」と指摘し、「おそらく域内外の景気後退が原因」と分析した。また宏正自動科技でも、「第4四半期は例年ハイテク製造業のハイシーズンに当たり、臨時従業員の雇用も増えるが、今年は景気が上向かず、もよう眺めの企業が大半だ」としている。
中小企業、17年ぶりの減少
なお、間もなく発表される中小企業白書の初稿によると、台湾の中小企業の数が昨年、1990年以来初めて減少となるもようだ。2007年度の中小企業数は123万6,000社で、前年比8,000社(0.6%)の減少となる。小売業者の2万社減が最大で、経済環境の悪化やネットショッピング利用など消費習慣の変化が要因とみられる。
一方、統計によると07年に中小企業で働く就業者数は795万人に達し、06年の775万人から約20万人増えている。しかし、中小企業協会の林秉彬理事長は「最近の景気低迷は起業には非常に不利で、中小企業数の減少が続けば、就業人口にも影響が出る」と警告している。