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株投資の損失3千万元、鴻海本部前で男性自殺


ニュース 社会 作成日:2008年9月4日_記事番号:T00009999

株投資の損失3千万元、鴻海本部前で男性自殺

 
 3日午前8時頃、株投資で3,000万台湾元(約1億200万円)の損失を被った個人投資家の男性が、鴻海集団総本部前で自殺しているのが巡回中の警備員に発見された。

 自殺した何景宗さん(53)はベルト工場の経営者だったが、ここ数年の株投資の失敗ですべてを失ってしまった。一度は軽度のうつ病にかかったが、馬英九総統就任後は選挙戦でのスローガン「馬上好(すぐに良くなる)」通り、経済の改善が見込まれると思いこみ、銀行や友人から324万元を借金。これまでの損失を取り戻そうと、鴻海集団などの株式に投資ししたものの、このところの株価下落ですべて塩漬け株になってしまった。

 万策尽きた何さんは2日夜、車で台北県土城の鴻海集団総本部を訪れた。本部入口のゲートから約50メートル離れた路上に停車し、助手席で炭を燃やして自殺を図り、帰らぬ人となってしまった。

 何さんが残した2通の遺書のうち1通は郭董事長へのもので、7月に郭董事長あてに手紙を送ったが返事がなかったことなどがつづられ、自分の死後は妻と2人の子供の面倒を見てほしいと書かれていた。

 もう1通は妻あてのもので、株投資ですべてを失ってしまったことを後悔し、わびる内容で、借金の明細が書かれていた。

 台湾株式市場は9月に入って3営業日連続で大幅下落が続いて6,500ポイントを割り込み、2年ぶりの安値圏にある。有効な経済政策を打ち出せないどころか、経済成長の公約をほごにする馬政権への不満が高まっている。