【ワイズリサーチ】台湾自動化産業の現状


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2013年8月1日

機械業界 自動化・ロボット

【ワイズリサーチ】台湾自動化産業の現状

記事番号:T00062456

一.台湾自動化業界の現状

 現在、台湾における産業自動化は主に三つの分野に分けられる。一つ目は設備サプライヤー、二つ目はユーザーのフロントエンド、 三つ目はエンジニアリングサービスである。現段階では、台湾の全生産ライン自動化のボトルネックを打破する上での重要な鍵となるのが制御器の国産化である。また産業ロボットとの結合により、更なる産業自動化を促進する要素としても期待されている。

 まず初めに台湾自動化業界の分析を行う。大手工作機械メーカーである台中精機(Victor Taichung)・友嘉実業(FFG)・東台精機・永進機械や、ロボットメーカーの鴻海(フォックスコン)・上銀科技(Hiwin Technologies)や、宝元(LNC Technology )・賜福科技(FOXNUM)・台達電(台湾デルタ電子)などの制御器メーカーは、金属加工/電子モジュールなどの業界ユーザーのニーズに対応すべく、自動化の導入を計画し始めている。そのほか、工作機械/金属加工/電子製品の大手メーカー(工作機械メーカーは上銀・宝成集団・三陽工業・東元(TECO)・中国鋼鉄・中華台亞・台湾日立、電子モジュールメーカーは鴻海・正崴(FOXLINK)・和碩(Pegatron Technology)・達方電子など)は、コアモジュール自動化の需要に応じて産業ロボットの開発も計画している。また、エンジニアリングサービス業界には様々な設備製作メーカーが参入しており、自動化サービス提供のためサービスグループを形成している。図一に示したように、 盟立・均豪精密工業・和椿科技などのメーカーがこのグループに含まれる。

 次に、台湾自動化技術力について分析を行う。第一次自動化時期は低コスト・大量生産・一貫化・単能工などの方法で生産を行う生産力に重点が置かれていた。第一次産業自動化が推進された要因は経済環境の劇的変化である。新台湾ドルの値下がり・労働賃金の上昇・労働者不足などにより、当時の労働力と技術集約型産業は海外に移転された。これを受けて政府は1982年より「工場自動化プロジェクト」の関連政策を精力的に推進してきた。第一次自動化は低コスト・省人力化に重点が置かれたが、人件費の安い中国市場の開放は多くの台湾メーカーの工場開設を誘引した。この点において、第一次自動化はその段階的な役割を果たしたと言える。ファクトリーオートメーションは台湾業界に確かな成果を生み出し、生産効率の向上と生産コストの削減に役立った。

 現在、台湾業界は構造調整の段階を迎えている。製造業の構造調整、ハイテクの組立て作業・3K作業における人手不足・台湾企業の逆流現象・高齢化社会・生活の質の向上に応じたサービス業の展開など、多くの課題と圧力を抱えており、第二次自動化(スマート自動化)による上記の課題のクリアと、台湾国内産業全体の構造調整の促進が期待されている。第二次自動化(スマート自動化)はハイテク化ハードウェアとスマート化ソフトウェアの技術を結合することを指し、感知(sensing)・処理(processing)・推論(reasoning)・反応(reacting)などのスマートプロセスを通し、ハードウェアとソフトウェアの長所を兼ね備えた設備・製品を生産する。製品及び設備のスマート自動化・スマートロボット・エンジニアリングの自動化の三領域が第二次自動化における主な発展領域であり、更に製造業・エネルギー産業・ヘルスケア産業・観光産業・文化及びクリエイティブ産業などの領域でも活用されれば、台湾製造業のサービス化及びサービス業のIT化も可能となる。

 これまでのスマート自動化の軌跡を顧みると、台湾の従来型自動化は感知と反応の領域のみで進められてきた。これに処理・推論などのスマート要素が加われば、スマート自動化の新時代を切り開くことが可能になる。製造業のサービス化・サービス業のIT化を確立するためのハイテク技術の導入、及びスマート自動化の加速化は新興産業との連携並びに多種多様な応用が見込まれるほか、工業の基礎技術の更なる発展をも期待できる。(図二参照)

 中国で自動化を発展させるにあたり、台湾国内の自動化業界の発展現状を顧みると、その問題点は以下のようにまとめることができる:

1.自動化エンジニアリング提供者の全工場・全ライン自動化実績と実務訓練機会の欠如。
2.台湾国内には海外市場を開拓できる大手エンジニアリングサービス企業が不足しているため、エンジニアリングサービスのシステム連携の発展が困難。
3.分野横断型人材の養成が難しいうえ新たな人手の参入も僅か。スキルアップや技術の継承にも限界があることが国際化へのボトルネックになっていること。
4.融資業務の実務条件がエンジニアリングサービス業の発展に不利であること。
5.コンポーネントの自主性は大幅に向上したが、国際競争力が未だ不足していること。
6.インターフェイスの統合基準がないこと。

二、工研院よる考察

 台湾の自動化エンジニアリングサービス事業主は第一次自動化の発展に伴い、既に自動化の基礎力を備えており、製造されたCNC工作機械にはすでに感知・処理・判断・反応などの機能が搭載されている。従来型自動化は低コスト・大量生産・一貫性・単能工の生産ニーズに応えると同時に、今後予測される中国の工作機械とロボットの統合自動化といった大規模な需要にも対応可能であるが、判断機能は未だ開発中である。これからの準トップレベルの中国自動化市場のニーズに応じるべく、 更なるスマート自動化を推進するため、台湾はすでに判断機能を第二次自動化の範疇に盛り込むことにしている。

 現時点では自動化エンジニアリング提供者の全工場・全ライン自動化の実績と実務訓練機会が不足しているが、台湾国内の自動化エンジニアリングサービス業は既に中国市場に参入できる高い潜在能力を有している。一方、制御器の国産化はなおも全ライン自動化のボトルネックとなっており、今後、自主化産業ロボットとの結合は産業自動化の促進に大きく関わる重要課題である。  

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