(一般公開)2014年台湾自動車・部品製造業界の研究分析


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年2月13日

機械業界 自動車・二輪車

(一般公開)2014年台湾自動車・部品製造業界の研究分析

記事番号:T00062576

自動車部品製造業の概況

 台湾自動車部品および車体製造業の2013年1〜10月生産額と販売額は、台湾市場の需要低迷により、いずれも前年同期比マイナス成長を記録した。

 米国経済が好転し、消費力が向上していることが同国を主要輸出先とする台湾自動車部品業界の米国向け輸出額を押し上げ、同業界の2013年1〜10月輸出額は前年同期比プラス成長を達成した。しかし、台湾における国産車に対する購買意欲が低下している影響で、台湾自動車部品・車体製造業の国内需要が低迷し、同期生産額は1,518億5,200万台湾元で同3.40%減、販売額も1,576億8,700万台湾元で同3.00%減少した(図1参照)。



 第4四半期は国産車の販売台数が上向き部品需要も高まったと同時に、海外からの受注も継続して成長したことから、台湾自動車部品・車体製造業の同期生産額および販売額はマイナス成長を脱したと見込まれる。ただ13年通年では依然、マイナス成長を脱することはできなかったもようだ。

 2013年1〜10月の製品別販売額は「自動車用ライト」と「その他自動車用電気部品」を除くすべての製品でマイナス成長となった。

 自動車部品・車体製造業における各製品の13年1〜10月販売額は、全体的な需要の低下を受けて軒並みマイナス成長を記録した。うち、最大比重を占める「その他自動車部品」は前年比3.08%減、「自動車用ボディ」も顕著な減少を見せた。また「ステアリングシステム・部品」は22.02%の大幅な減少を記録。「エンジン・部品」「ホイール」「サスペンション/トランスミッション・部品」「ブレーキシステム・部品」のいずれも前年同期比マイナスとなった。一方、「自動車用ライト」と「その他自動車用電気部品」の販売額は、衝突事故の増加を受けたアフターマーケットでの調達増により、それぞれ前年同期比6.34%増の251億4,200万台湾元、同3.75%増の139億1,700万台湾元とプラス成長を見せた。(表1参照)



 台湾自動車部品・車体製造業の2013年1〜10月輸入額は内需の低迷によりマイナス成長となった一方、同期輸出額は欧米市場の需要増を受けて小幅成長を記録した。

 国内自動車製造界の景気後退により、国産車の販売が減少し、自動車部品に対する輸入需要が低下。これを受けて台湾自動車部品・車体製造業界の13年1〜10月輸入額は前年同期比11.72%減の516億1,400万台湾元に落ち込んだ。なお、同年第4四半期は国産車の販売が上向き部品の輸入需要も回復。同期輸入額はプラス成長を記録した。ただ、通年では依然、マイナス成長を脱することはできなかったとみられる。

 輸出に関しては、米国経済の好転を受けてアフターマーケットにおける台湾製自動車部品調達が増えたほか、欧州での需要も大幅に伸びたことから、台湾自動車部品・車体製造業の13年1〜10月輸出額はプラス成長を維持した。ただ日中関係の悪化を受けて13年に入って以降、中国における日本車の販売が低迷したことが台湾自動車部品業界の対中国輸出にも打撃を与えた。また大幅な円安により日本における台湾製自動車部品の調達が縮小したことで、同期輸出額(1,266億900万台湾元)の前年同期比成長率は1.59%の小幅なものにとどまった(図2参照)。



 同年第4四半期については、中国市場における日本車販売が顕著な回復を見せ、台湾製自動車部品の対中輸出に好影響を与えたほか、米国からの調達も引き続き拡大したため、同期輸出額は成長幅を拡大。ゆえに通年でもプラス成長を達成したと見込まれる。

今後の展望

 2014年、世界の自動車・部品業界は景気が上向くと見込まれているが、その販売状況は各地域によって異なる見通しだ。米国および中国では販売台数が継続して伸びるが、成長率は鈍化するとみられる。また欧州および日本市場は2013年の低迷を脱すると予測されている。今年は世界経済が前年に比べ上向き、各国の自動車販売台数、自動車の維持費用が増加する見通しとなっていることから、主要国家における自動車部品製造業の販売額はプラス成長が見込まれる。

 一方、台湾でも前年に比べ経済成長率が上昇すると予想されることから国内自動車市場で購買意欲が高まると同時に、海外からの受注も増加すると予想され、台湾自動車部品製造業の生産額、販売額とも今年は成長を維持する見通しだ。
 以下に14年の世界および台湾自動車部品・車体製造業が直面する経済環境を詳しく見ていく。

一.2014年、世界の自動車販売は成長を維持するが、その販売状況は地域によって異なる見通し。

 各主要研究機関の世界経済予測によると、14年の世界経済は成長を維持し、さらにその成長力は前年に比べ強まると見込まれている。中でも中国では高度経済成長が続くと同時に、国民の消費力も向上し、同国における自動車販売台数の成長を促す見通しだ。ただ、中国工業信息化部(工信部)が13年12月に発表した「2013年中国工業通信業運行報告」では、同国自動車産業の14年生産額および販売額は成長が鈍化すると予測。新エネルギー車が新たな注目を浴びることになると分析している。その主な理由としては、国民の自動車保有台数が急速に増加することで、中国のエネルギー、交通、大気汚染の事情が悪化していることが挙げられる。これを受けて中国政府は13年12月に天津で導入した自動車の購入制限を今後、他の都市にも拡大する可能性が高く、同国自動車産業の成長に影響を及ぼすとみられる。

 一方、米国については多くの研究機関が同国の14年経済成長率予測を引き上げており、自動車販売の成長にもプラス要因となる見通しだ。ただ、米国で始まった量的緩和政策(QE)の縮小が今後、同国および世界経済にどの程度影響を及ぼすかは依然、不透明な状況で、国民の自動車購買意欲もそれほど大きく高まることはないとみられる。同時に、米国の自動車販売は近年成長を続け、基準値が高くなっているため、14年は販売台数増が見込まれるものの、その成長率は縮小すると予想される。
 また欧州経済は今年、これまでの衰退傾向を脱し、債務問題が欧州各国に与えるダメージも薄れると予測され、消費力が向上し、自動車購買意欲も上向くとみられる。

 日本では昨年、自動車の購入補助(エコカー補助金)が打ち切りとなった影響で購買意欲が低迷したが、同国経済は既に好転しているため、今年は購買意欲向上が見込まれる。また世界で自動車需要が高まる見通しの中、円安政策を後ろ盾に日本の自動車製造業は輸出競争力を高めるとみられ、14年の同産業生産額および販売額はプラス成長を達成すると予測される。

 今年の世界自動車産業を全体的に見ると、世界経済の成長が消費力を押し上げ、自動車の生産、販売量は増加する見通しだ。

二.世界自動車部品業界の2014年販売額は、自動車販売台数の増加とアフターマーケットにおける調達増により成長が見込まれる。

 14年は世界で自動車の販売増が期待できることから部品需要も高まるとみられる。うち、中国では新車販売台数の増加に伴う部品需要に加え、自動車保有台数が継続して増加していることからアフターマーケットでも部品調達が成長すると予測される。また米国でも景気好転による自動車販売増を受け、同国部品市場は規模を拡大するとみられる。さらに欧州、日本の自動車部品業界も自動車販売増を受けた需要の回復が見込まれる。
 全体的に見ると、▽世界的な自動車販売増▽景気好転▽消費力向上による自動車メンテナンス支出の増加——により、世界自動車部品製造業の14年販売額はプラス成長が予想される。

三.2014年、台湾の経済成長率は前年を上回ると予測され、これが国内自動車市場の購買意欲向上にプラス効果を及ぼすとみられる。また部品業界の販売額も国内外の需要増を受け、プラス成長を達成すると予測される。

 各研究機関の予測によれば、台湾の14年経済成長率は前年を上回るほか、政府による給与引き上げ要請を受けて既に昇給を表明する企業が出現しつつあり、今年は実質賃金の上昇も見込まれる。これにより国民の消費力が高まり、自動車販売市場の購買意欲向上につながると予測される上、自動車メーカーの多くが製品のモデルチェンジを進めて消費者の注目を集める見通しだ。また国瑞汽車は近年、積極的にトヨタ自動車から中東市場向け車種の生産受注を図っている上、同市場では自動車販売台数が継続して成長していることから、台湾自動車産業の輸出成長を促すと見込まれる。国内需要の高まりと海外向け受注の増加を受け、台湾自動車製造業の14年販売額はプラス成長を実現するとみられる。

 一方、台湾の自動車部品製造業は国内の自動車販売増による需要の拡大が期待できるほか、欧米における景気上昇を受けた消費者の自動車メンテナンス支出増大に恩恵が見込まれる。さらに最近では、記録的な寒波に見舞われている北米地区で衝突事故が多発し、アフターマーケットにおける台湾製部品の調達増につながっている。このため、台湾自動車部品業界の14年販売額もプラス成長が見込まれる。

 全体的に見ると、14年台湾自動車・部品産業の販売額は、台湾および世界経済の好転による消費力の向上に伴い、国内・海外向けとも需要が高まると予想されるため、ス成長を達成できる見通しだ。

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