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【ワイズリサーチ】台湾自動車・部品業界の現状と見通し


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年2月6日

機械業界 自動車・二輪車

【ワイズリサーチ】台湾自動車・部品業界の現状と見通し

記事番号:T00062571

台湾市場概況

一.市場全体の概況
 台湾輸送機器・部品製造業界の2013年1〜10月生産額は5,032億9,300万台湾元で前年同期比3.57%の減少した。中でも自動車・部品製造業の生産額は同6.31%減の3,045億5,700台湾元と大幅なマイナスとなり、輸送機器・部品製造業全体の生産額に占める比率も同1.65ポイント縮小し、60.51%となった。また同期、自動車・部品製造業の輸出額のうち部品製造業の比率が49.86%に拡大した一方、自動車製造業は内需の低下により50.14%に縮小した(図2参照)。以下に13年における自動車製造業と自動車部品製造業の概況について分析する。



二.自動車製造業の概況
1.台湾自動車製造業界の2013年1〜10月生産額および販売額は国民の実質賃金低下と輸入車価格の低下を要因として顕著なマイナス成長を記録した。

 13年の台湾経済は予測を下回る低調となり、サラリーパーソンの昇給幅が小さかったことから実質賃金が減少し、国民の購買力低下につながった。また、大幅な円安を受けて日本車のみならず欧州車を含む輸入車業者が値下げによる販売増を図ったため、国産車に対する購買意欲は低迷が続いた。その結果、13年1〜10月の台湾自動車製造業生産額は前年比9.03%減の1,527億500万台湾元、販売額も同7.26%減の1,612億9,300万台湾元となった。



 ただ13年第4四半期は、台湾株式市場の株価上昇が投資家の資産増加を促したこと、さらに輸入車の値下げによる国産車への脅威が弱まったこと、および国内の自動車各社が相次いで新車を投入し、販促キャンペーンを打ち出した影響で購買意欲が刺激され、同期生産額および販売額は小幅ながらプラス成長に転じたとみられる。しかし、通年では生産額、販売額ともマイナス成長を抜け出せなかったようだ。

2.2013年1〜10月販売額を車種類別に見ると、大型乗用車、中大型バス、トラックは大幅、小型乗用車と貨客兼用車は小幅なマイナス成長となった。

 13年に入って以来、台湾経済の不調が続き、これにより企業における輸送設備予算が顕著に縮小したため、同年1〜10月のトラック販売額は、小型トラック(3.5トン以下)が前年同期比17.35%減の98億4,100万台湾元、大型トラックも同35.98%減の62億6,500億台湾元と大幅な減少を記録した。また、中大型バス(10人乗り以上)も09年以降、販売額成長が続いたことで基準値が高くなっていた上、13年の需要低迷を受けて販売額は56億9,500万台湾元と前年同期比26.62%の減少を見せた。さらに大型乗用車(2,000cc以上)は競合関係にある輸入車の値下げに打撃を受けて販売不振に陥り、13年1〜10月の販売額は同28.98%の大幅なマイナス成長となった。一方、小型乗用車(2,000cc未満)と貨客兼用車の同期販売額は、市場全体の購買意欲低下に影響を受けたがマイナス幅は同1.36%減、同2.33減と小幅にとどまった(表2参照)。



3.自動車製造業の2013年1〜10月輸入額は、輸入車の値下げを受けて前年同期比11.03%増加した。また同期輸出額も中東市場向け需要の高まりにより増加を記録した。

 輸入車販売価格の値下げを受けて一部消費者が購入に動いたことから、13年は輸入車の需要が上昇し、台湾自動車製造業の同年1〜10月輸入額は795億8,100万台湾元と前年同期比11.03%の増加を記録した。

 輸出面では、日本の自動車業界がコスト削減のため一部生産を外部に委託したこと、および東日本大震災以降に起きている生産拠点の海外移転の動きがさらに加速していることから、台湾自動車製造業の輸出額を押し上げているほか、中東市場向け需要も13年は引き続き増加傾向を示した。ただ、昨年の輸出額が高かったこと、および大幅な円安の影響で台湾メーカーへの委託規模がさらに大幅な拡大を見せることは難しい状況の中、13年1〜10月の輸出額は249億5,600万台湾元と前年同期比3.10%の小幅成長にとどまった(表3参照)。



 なお13年第4四半期の輸入額は、台湾株式市場の株価上昇を受けて投資家が利益を挙げたことが輸入車需要の上昇につながったため成長を維持し、通年でもプラス成長を達成したと見込まれる。一方、第4四半期輸出額は大幅な円安を受けてマイナス成長に陥いったとみられるが、通年ではプラス成長を維持したと予測される。

4.台湾自動車製造業が主要輸出先とする中東市場向け13年1〜10月輸出額上位5カ国のうち、オマーンを除きいずれもプラス成長を記録した。

 トヨタ自動車が中東向け受注分の生産を台湾の国瑞汽車に委託している上、国瑞も積極的に中東市場開拓に取り組んでいることから同市場は台湾自動車製造業にとって主要輸出先となっている。13年1〜10月輸出額における中東上位5カ国のうち、前年同期比小幅減となったオーマンを除く4カ国でプラス成長を記録した。特にクウェート向けは同59.83%もの成長を見せた。また、アラブ首長国連邦(UAE)向けは同12.46%増、カタール向けも17.16%増と大幅成長を記録したが、サウジアラビア向けは成長こそ維持したものの、成長幅は1.31%増と顕著な鈍化が見られた(表4参照)。

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