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【ワイズリサーチ】台湾と中国におけるバルブ製品業界の競合分析


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年2月20日

機械業界 ポンプ・コンプレッサー・コルク・バルブ

【ワイズリサーチ】台湾と中国におけるバルブ製品業界の競合分析

記事番号:T00062582

一.台湾と中国の業界形態

 中国バルブ製品業界には、様々な規模の企業が約6,000軒以上あり、世界一の会社数を誇っている。2012年に、中国バルブ製品業界の生産額は2011年同期比18.71%増の2,116億人民元に達したほか、売上高が2,000万人民元を超えた会社も1,543軒に上り、そして従業員総数は27万人にもなり、バルブ製品は721万トンであった。

 ただ、 中国バルブ製品業界は、企業規模が小さく産業集中度が低いという問題を抱えている。同業界に低技術力、小規模または家族型企業である会社は1,500軒以上あり、年間売上高が1億人民元を超える企業は僅か十数軒で、上位十社の合計市場シェアはわずか8〜9%にとどまっている。産業集中度が低いことは、技術力の低下、低価格競争、 影響力のあるブランドの欠如など不利な要因に繋がるため、現段階の中国バルブ製品業者の規模と資金では、海外大手会社と競争することは困難である。

 中国江蘇省は中国バルブ製品業界にとって重要な生産拠点である。江蘇省はバルブ製品産業が60年以上発展してきたため、中国トップ5のバルブ生産拠点となり、バルブ産業クラスターを形成している。12年の時点で江蘇には約800軒を超えるルバルブ製品業者が存在しており、その合計生産額は中国バルブ製品業界の21%を占める450億人民元にも上る。

二. 台湾と中国の相互貿易

 2006〜2012年における台湾と中国の相互貿易を分析すると、10年と11年にバルブ製品の台湾対中国輸出額は中国対台湾輸出額を上回る1.42億米ドルと1.43米ドルであったが、12年に中国対台湾輸出額は伸び、台湾には1,117万米ドルの貿易赤字が生じた。


 製品別に見ると、台湾と中国の貿易においては、蛇口を含む「未分類その他のバルブ製品」がより頻繁に取引されており、そして中国対台湾輸出では「チェックバルブ」が最も多く、次いで「安全弁/逃がし弁」となっている。12年おける中国対台湾輸出は、「チェックバルブ」の輸出額が612.9万米ドルであり、この三年間大幅に成長していた「安全弁/逃がし弁」も、454.7万米ドルに伸びた(表1参照)。

一方、台湾対中国輸出は「未分類その他のバルブ製品」を除き、油圧/空気作動弁の輸出額が最も多く、12年には3,085万米ドルになった(表2参照)。



三.台湾と中国の長所と短所

 過去10年間、台湾と中国のバルブ製品市場は異なる成長を遂げており、▽生産額▽内需▽輸出入▽主要輸出市場——などから見て、中国は台湾より顕著な伸び幅を見せた。中国経済成長の恩恵を受けて、12年に中国バルブ製品業界は台湾の38倍となる生産額を記録したほか、輸入額と輸出額はそれぞれ台湾の34倍と42倍であり、その差は毎年拡大している。

 中国はまだ「ローエンドの輸出品とハイエンドの輸入品」というビジネスモデルから脱出できていないため、大規模工事と産業バルブ市場における展開を計画している。世界市場は既に中国による低価格競争の影響を受けているため、 内需市場の成長が限られる台湾は技術力を強化して、市場を開拓しなければならない。

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