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【ワイズリサーチ】14年Q3〜Q4
台湾自動車・オートバイ業界の
産業分析と未来予想



リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年12月4日

機械業界 自動車・二輪車

【ワイズリサーチ】14年Q3〜Q4
台湾自動車・オートバイ業界の
産業分析と未来予想


記事番号:T00062753

一.2014年第3四半期の業界概況

1.自動車業界
 鬼月(旧暦7月)の影響により、第3四半期は台湾自動車業界のオフシーズンとなるため、14年第3四半期の同業界の生産額は第2四半期より後退した。しかし、トヨタ・ヤリスの導入および▽トヨタ・ヴィオス▽日産・リヴィナ▽ホンダ・シティ——を含む上半期に発売の新車は売上好調が続いたため、14年Q3に台湾自動車業界の生産額は、13年同期比16.7%増の524.78億台湾元に伸びた。

2.自動車部品業界
 第3四半期も台湾自動車部品業界のオフシーズンであるが、世界経済が好転しており、欧州、日本、中国に対する台湾自動車部品業界の輸出が増加し、▽プラスチック・ゴム部品▽機械加工▽自動車ホイール▽ブレーキシステム——を含む自動車部品の生産額が上昇したため、同業界の生産額は14年Q4に前期比1.7%増で、前年同期比12.3%増の537.9億台湾元に成長した。

3.オートバイ業界
 オートバイの購入需要は新学期の始まりと関連するため、第3四半期は台湾オートバイ業界のピークシーズンであるはずだが、オートバイ大手メーカーの三陽機車(SYM)の経営戦略の変更により、14年Q3のオートバイのナンバープレートの登録数は13年同期より大幅に減少した。しかし、イタリアとスペインを含む欧州国に対する同業界の輸出が大幅に伸びているため、14年第3四半期における台湾オートバイ業界の生産額は、前期比0.8増、前年同期比1.0%増の136.5億台湾元に伸びた。

4.電気自動車・電動オートバイ業界
 電動オートバイに関する補助金が実施される噂がでているため、第2四半期の電動オートバイの購入数は上昇したが、トヨタ・カムリ・ハイブリッドの人気下落が台湾電気自動車の販売状況に影響を与えているため、14年第3四半期における台湾電気自動車・電動オートバイの生産額は、前期比4.2%減、前年同期比12.1%増の14.4億台湾元に留まった。


二.業界の動向

1.ラクスジェンの経営戦略は正しく、目標年間売上は上方修正
 裕隆汽車(ユーロン・モーター)によるブランド「ラクスジェン」の売上について、台湾では14年1〜9月で前年同期比104.0%増の1.2万に伸び、中国では14年1〜5月で1.8万台を突破したため、この勢いに乗って、同社は今年の目標年間売上を台湾1.6万台、中国4.7万台に修正した。

 ラクスジェンはミドル〜ハイクラスのSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)市場を目標にし、▽優れたコストパフォーマンス▽車載電子装置▽欧州車の外観▽燃費性能——を通して、販売実績を上げている。そして、14年に同社は日産からフィリピン日産自動車会社(NMPI)の全ての株を取得し、ASEAN(東南アジア諸国連合)や中東国家に進出する生産拠点を手に入れた。

2.14年Q3から、致伸科技が自動車部品業界に参入
 致伸科技(プリマックス・エレクトロニックス)は情報技術製品のソリューションを提供するメーカーであり、その製品はICT(情報通信技術)関連製品、影像、事務機器(OA)に使われている。14年第3四半期、同社は▽自動車部品▽産業用計測機器▽航空宇宙産業用精密部品——を含む製品の機械加工メーカーである時碩工業を買収し、自動車部品業界のサプライチェーンに参入した。14年における致伸科技の売上高は18億台湾元に達すると予測されている。


 致伸科技は▽安定した市場需要▽長い製品ライフサイクル▽高い粗利益率▽技術力が要求される参入障壁——を目当てに、時碩工業を買収した。そして、▽自動車用エアバッグ▽サスペンションシステム▽エンジン▽動力伝達装置▽流量計▽圧力センサ▽航空機の着陸装置▽航空機給油燃料システム用部品——を含む時碩工業の製品は、致伸科技に安定な売上高と収益をもたらすと見られている。

三.今後の市場予想

1.自動車業界
 第4四半期は自動車業界のピークシーズンであるため、年末の総合選挙による影響は計算できないが、ホンダ・フィットと三菱・アウトランダーの発売は自動車販売市場の興奮剤となり、14年Q4における台湾自動車業界の生産額は、前期比0.7%増の528.6億台湾元に伸びると予想されている。

 世界景気の回復によって輸出が好況になっており、5期環境規制対応車種は販売好調のため、14年における台湾自動車業界は景気好況が続き、生産額は13年比14.8%増の2170.6億台湾元に成長すると推測されている。

2.自動車部品業界
 第4四半期は北半球の冬であるため、自動車用衝突安全部品のピークシーズンでもあり、世界経済の好転は自動車販売市場に好影響を与えているため、▽欧州▽新興国▽北米▽日本▽ASEAN——からの需要が引き上げられ、14年Q4の台湾自動車部品業界の生産額は、前期比2.5%増の551.3億台湾元に伸びると見られている。

 14年に、同業界は▽北米▽EU(欧州連合)▽日本——に対する輸出額は安定した成長となっているほか、新興国市場への進出も積極的に展開しており、14年の年間生産額は13年比8.4%増の2142.5億台湾元に膨らむと予想されている。

3.オートバイ業界
 第4四半期は台湾オートバイ業界のオフシーズンであるほか、三陽機車の在庫消化戦略が継続されるため、内需市場は振るわないと見られている。しかし、同業界の対イタリア輸出と対スペイン輸出は引き続き成長し、業界全体の生産額を維持する可能性があるため、14年Q4の同業界の生産額は、13年同期比1.1%増の105.5億台湾元に達すると見られている。

 第3四半期の販売状況は予想に届かなかったが、上半期において台湾オートバイ業界は販売好調であり、国外販売も良い実績を上げたため、14年通年の同業界の生産額は前年比4.4%増の495億台湾元に成長すると予想されている。

4.電気自動車・電動オートバイ業界
 人気車種トヨタ・カムリ・ハイブリッドの売上が下落し始めたが、政府は台湾電気自動車・電動オートバイ業界を支援するような政策を全力で実施しており、電動オートバイに関する補助金が開始され、「智慧電動車發展策略與行動方案(インテリジェントカーに関する発展策略および実施計画)」の推進も台湾電気自動車市場に好影響を与えている。そのため、14年第4四半期の、電気自動車・電動オートバイ業界の生産額は前期比18%増の17億台湾元に膨らむと見込まれている。

 また、和泰汽車(ホタイ・モーター)はHino300シリーズのハイブリッド商用車を導入すると宣言しており、ハイブリッド車の生産額を押し上げると見られている。また、ラクスジェンはMPVEV+(電気ミニバン)の一般販売の開始を発表したため、14年通年の台湾電気自動車・電動オートバイ業界の生産額は、前年比4.3%増の61.2億台湾元に伸びると推測されている。

機械業界-自動車・二輪車

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