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【ワイズリサーチ】台湾機械設備および自動車・部品製造業の
現状と展望―2015年第1四半期―


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2015年3月26日

機械業界 工作機械・産業機械

【ワイズリサーチ】台湾機械設備および自動車・部品製造業の
現状と展望―2015年第1四半期―

記事番号:T00062811

台湾機械設備製造業の現状と展望

 2014年第4四半期における機械設備製造業の生産指数は、米国製造業の持続的景気回復および新興国(ブルネイ、ネパールなど)における需要の増大により輸出が伸びた影響で、前期の98.25ポイントから104.62ポイントまで上昇。前年同期比上昇率は15.54%となった。

 2014年10〜11月の生産指数をカテゴリー別に見ると、▽事務機械設備製造業、前年同期比18.07%低下▽紡織・アパレル・皮革製品生産用機械製造業、同10.67%低下▽採鉱・建設用機械製造業、13.01%低下▽未分類その他専用機械製造業、同10.26%低下▽木工機械製造業、同9.97%低下――といった分野では低迷が続いたが、それ以外の製品では上昇を維持した。うち、▽ゴム・プラスチック加工用機械製造業、前年同期比79.91%上昇▽その他金属加工用機械製造業、同49.34%上昇▽化学工業機械製造業、同35.45%上昇▽電子・半導体生産用機械製造業、同33.67%上昇▽運搬機械設備製造業、同30.50%上昇――は30%を超える上昇を記録した。これらデータからは世界でインテリジェント・マニュファクチャリング関連設備および運搬設備需要の世界的な高まりを背景に台湾機械メーカーの受注が伸びている状況がうかがえる。

 一方、機械設備製造業の直近3カ月間の単位労働コスト指数は前年同期比10.91%低下、労働生産性指数は同13.14%上昇した。これは世界経済の好転を受けて当産業の生産能力が向上し、単位労働コストが低下している状況を反映している。

 販売面では当産業の過去3カ月(2014年9月〜11月)の販売指数は97.76ポイントで前年同期比17.31%上昇、当産業の成長力の強さをうかがわせた。なお同期の輸出額は1,475億6,900万台湾元と前年同期比7.58%の成長を記録した。

 なお、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は53.5ポイントと「景気拡大傾向」を示し、ユーロ圏のPMIも「景気拡大」と「景気後退」の分岐点である50ポイントを上回った。一方、中国政府が発表した同月のPMIは、49.8ポイントと50を下回り、約2年来の最低を記録した。

 世界経済に関するデータは全体として景気回復傾向を示しているものの、依然として下振れリスク、または製造業の一部で設備投資意欲が減退する可能性は排除できない。ただ、先進国におけるオートメーション設備に対する需要増大、および中東、東南アジア等の新興国における専用機械設備の輸入増を受け、台湾機械設備製造業では今後も旺盛な受注が見込まれる。また今年は多くの機械メーカーが工業および医療機械設備分野におけるハイエンド製品の展開を強化していることから、当産業の2015年第1四半期の生産指数は15.68%上昇の91.22ポイントを記録すると予想される。

自動車・部品製造業の現状と展望

 自動車・部品製造業の2014年第4四半期生産指数は108.35ポイントで前年同期比1.63%の上昇となった。カテゴリー別の生産指数(14年10月〜11月)は、▽自動車製造業、同0.29%%上昇▽自動車部品製造業、1.68%%上昇▽車体製造業、同31.71%下落――となった。

 自動車・部品製造業の14年第4四半期販売指数は前年同期比6.05%上昇の104.35ポイント、同期輸入額は同4.37%増の455億8,900万台湾元、輸入物価指数は同0.94%の下落となった。一方、同期輸出額は372億5,600万台湾元で同10.94%増加、輸出物価指数も同2.84%上昇した。生産効率面を見ると、平均給与は同0.86%低下、単位労働コスト指数は同7.87%下落の88.31、労働生産性指数は同7.76%の上昇、業界の就業人口は同0.37%増加した。

 また自動車業界団体、台湾区車両工業同業公会(車両公会)の統計によると、2014年第4四半期における台湾生産車の台湾内外を合わせた販売台数は8万7,015台で、前年同期比4.48%の増加を見せた。うち台湾市場向け販売台数は同8.06%の増加を記録したものの、海外向け販売台数は5.22%の減少となった。_x000C_ 今後の展望としては、米国における雇用状況の好転、原油価格の下落などの要因を受けて自動車・部品市場の需要が高まると予想されるほか、中国の自動車市場が昨年に比べ楽観でき、同2大市場の好調が台湾自動車・部品メーカーの生産・販売をけん引すると見込まれる。

 なお自動車部品の分野では、欧州においてタイヤ空気圧監視システム(TPMS)の需要がピークを迎えており、台湾の関連メーカーの受注が急速に増えている。さらに最近では米国東部および欧州の一部が暴風雪に見舞われた影響で自動車の追突事故が増えたことからヘッドライト等の交換需要が旺盛となっており、自動車部品の販売が上向いている。さらに同業界では今後、例年の需要期を迎えるほか、気候条件や台湾元安、原油価格下落などが自動車の購買意欲を刺激すると予想されるとして、市場見通しが楽観視されている。

 以上を総合すると、自動車・部品製造業の2015年第1四半期の生産指数は100.35ポイントとなり、前年同期比2.40%上昇すると予想される。

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