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【ワイズリサーチ】台湾ロボット産業−−
主要メーカーの動向と日台提携



リサーチ 台湾事情 作成日:2015年11月12日

機械業界 自動化・ロボット

【ワイズリサーチ】台湾ロボット産業−−
主要メーカーの動向と日台提携


記事番号:T00062944

2015年台北国際自動化工業大展

 今年8月に開催された「台北国際自動化工業大展」には、インテリジェント・オートメーション用部品、ロボット、システムインテグレーション関連の川上から川下まで数多くのサプライヤーが集結。顧客に必要とする製品を一度に調達することを可能とした他、業界メーカーが相互に実力を把握し、緊密な交流や提携を結ぶ格好なプラットフォームとなった。

 アジア市場が発展を見せる中、欧州や日本のロボットメーカーが既に台湾展開を開始しており、既存の代理業者やシステムインテグレータにとって脅威となっている。今回の展示会に参加したある企業は「今年の展示分布を見ると、システムインテグレータのスペースは明らかに縮小しており、将来取るべき道は川上の中核部品メーカーとの協力により、より小型で軽量化されたロボット本体を開発し、応用分野を拡大することと考えられる」との認識を示した。

東佑達自動化科技
 早くから日本のロボットメーカーやシステムインテグレータの代理を務めてきた東佑達自動化科技(TOYO)は近年、中台で自社ブランド展開を進めている。

 同社は技術競争力の向上およびリスクの分散を図るため、研究開発(R&D)に大規模な資金を投入し、制御装置と機械モジュールを結合したコストパフォーマンスの高い単軸/4軸の水平多関節ロボットを設計。かつ自社工場での加工、台湾の重要部品メーカーとの協力により、部品から完成品、システムの自動化能力を獲得し、「メードインタイワン(MIT)」製品を日本など15の先進国へ輸出することに成功している。

 同社は今回の展示会に、主力製品であるモーター直結型ロボットアームの新製品を発表。同製品では軸継手の設計を変更することで緩みや誤差といった問題を解消した。

全球伝動科技
 東佑達と長きにわたり提携関係にある台湾の伝動部品専門メーカー、全球伝動科技(TBIモーション)は、伝動部品に関する中核技術の掌握、研究開発(R&D)、設計を重視し、ロボット本体の製造には参入していない。同社は▽ボールねじ▽リニアガイド▽ロータリーボールねじ/スプライン▽単軸ロボット▽リニア軸受▽軸継手▽ボールねじサポートユニット――などを主要製品とすると同時に、顧客の必要に応じて技術サポートや産業分析などのサービスも提供している。
 全球伝動は、同社が生産する単軸ロボットの中核部品となるスプラインを基にした、システムインテグレータや川下メーカーとの協力が主な業務と説明。東佑達との長期的な提携はボールねじから始まったが、研究開発(R&D)により顧客の需要に応じてスプラインを利用した改良を進めた。

日本企業との提携で世界へ
 台湾では市場、産業規模が小さいことから、インテリジェント・ロボットの発展に先天的なデメリットを抱えており、業界企業は提携を通じて海外投資を引き込み、知識量が豊富で付加価値の高いサービスを提供することにより市場での生き残りを図っている。また世界市場での競争を考慮すると、まず技術面では日本やドイツなどを目標とし、さらにその優れたサービスおよびイノベーションモデルなど経営方法を学ぶことでソフト面での強化も図る必要がある。

 これに関連して経済部は現在、▽3C(コンピュータ、通信、家電)▽金属加工▽工作機械▽食品▽医療――の7分野を中心に労働生産性の向上を目指す「生産力4.0発展プラン」を推進するとともに、日台の産業間で相互補完的なパートナー関係を構築し、日本の中核技術を吸収すべく、台日産業合作推動弁公室(台日産業連携推進オフィス、TJPO)、台湾区電機電子工業同業公会(電電公会、TEEMA)が8月27日、日本の多摩川精機(本社・長野県飯田市、関重夫社長)と技術協力に向けた覚書を結び、「軽量化ロボット連盟」を立ち上げた。台湾メーカーの技術レベル向上を目的とし、多摩川精機の高度なサーボモーター技術を導入するとともに、医療・介護、生産のオートメーション化、生活支援といった軽量型ロボットの応用市場開発を共同で進める予定だ。これにより世界の産業バリューチェーンにおける台湾メーカーの地位の転換と向上を促したい考えだ。

 経済部工業局電子資訊組の鄒宗勲科長は、「今回の提携は業界の中心的企業を結集することを目指したもので、軽量型ロボット部品の国産化と実用化にプラス効果をもたらすと信じる」と強調。「多摩川精機はサーボモーター、ドライバなどロボットの動力に関するハイレベルな技術を有しており、台湾のロボット産業が欠いている部分を補うことが期待され、将来的には技術移転や共同開発の可能性もある」と語った。

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