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【ワイズリサーチ】機械式伝動設備製造業の概況及び未來展望


リサーチ マーケティング 台湾事情 作成日:2016年7月28日

機械業界 工作機械・産業機械

【ワイズリサーチ】機械式伝動設備製造業の概況及び未來展望

記事番号:T00065508

一、産業概況
 2015年の円安は台湾機械式伝動設備製造業の輸出競争力に打撃を与え、受注への影響は16年第1四半期の出荷に及ぼした。16年に入ってから、円高の進行により台湾当産業への影響は少なくなったが、中国経済の鈍化は中国機械業に影響を及ぼし、連帯的に台湾当産業への調達規模を減少させた。また、世界経済低迷の影響で、台灣機械産業の輸出受注は長期に渡り、減少傾向が続いており、16年台湾当産業の内需は大きく減少し、16年1〜4月の生産額は前年比23.91%減の101億9,200萬台湾元で、販売額は同18.85%減103億7,900萬台湾元となった(表1参照)。


  2016年第2四半期においては、中国経済鈍化は継続し、台湾機械式伝動設備製造業の輸出に影響を及ぼした。さらに16年4〜5月台湾機械産業の輸出受注数の減少傾向が続き、16年第2四半期台湾当産業の生産額・販売額は大幅減少のトレンドを継続する見通しだ。

二、各カテゴリー販売概況

 世界機械産業景気低迷の影響で、2016年1〜4月台湾機械式伝動設備製造業各カテゴリーの販売額はそろって減少した。特にボールねじの販売額は前年比41.88%減の15億700萬台湾元で、最も大きな減少幅を示した。リニアガイドについて、近年はメーカーが研究開発に注力したことにより、関連技術の向上に繋がったが、機械産業全体の需要低迷の影響で、販売額は同19.48%減の42億6,700萬台湾元となった。ベアリング及びギアは川下メーカーによる需要縮小の影響で販売額はそれぞれ同7.57%減及び同2.12%減となった(表2参照)。

 2016年第2四半期について、世界機械産業景気の低迷に回復の兆しが見えず、工作機械産業への需要は特に弱まっており、加えて中国が台湾機械式伝動設備製造業への需要低迷が継続しているため、16年第2四半期台湾当産業各カテゴリーの販売額は減少のトレンドを継続する見通しだ。


三、輸出入概況

  台湾機械産業の景気低迷の影響で、台湾機械式伝動設備製造業の内需は縮小し、同時に2016年に入ってから国際通貨為替レートは激しく変動しているため、台湾機械産業メーカーが機械部品への調達意欲に影響を及ぼした。そのため、16年1〜6月台湾当産業の輸入額は前年比11.02%減の114億2,600萬台湾元となった。輸出について、世界経済の鈍化は機械産業に影響を及ぼし、連帯的に台湾当産業への需要は大幅減少となり、特に中国経済の鈍化は台湾当産業に大きな打撃を与えたため、16年1〜6月台湾当産業の輸出額は同13.32%減の205億4,300萬台湾元となった(表3参照)。


  主要輸入元国について、2016年1〜6月台湾機械式伝動設備製造業の主要輸入元国は順に▽日本(37.39%)▽中国(香港・マカオを除く。26.64%)▽ドイツ(10.90%)▽米国(7.07%)▽イタリア(3.55%)——である。このうち、台湾内需縮小の影響で、日本、中国、ドイツ及びイタリアからの輸入額はそろって減少し、米国も横ばいとなっている。

 主要輸出先国については、中国経済の鈍化、人民元安及び輸入代替政策の影響を受け、2016年1〜6月台湾機械式伝動設備製造業の中国への輸出額は前年比19.82%減の77億7,000萬台湾元となった。韓国、米国及びドイツへの輸出額もそろって減少の傾向だ。一方、日本への輸出額は16年に入ってからの円高により、日本が台湾当産業への調達規模を拡大させたため、同4.93%増となった(表4参照)。

四、主要メーカー概況
 世界市場の景気低迷の影響で、台湾製ボールねじ及びリニアガイドの販売額は大きく減少した。そのため、上銀科技(ハイウィン・テクノロジー)2016年1〜6月の連結売上高は前年比7.78%減の73億4,000萬台湾元となった。リニアガイドを主要製品とする直得科技(CPC)は川下メーカーによる需要減少の影響で、連結売上高は同6.38%減となった。瑞頴(PRO-HAWK)はベアリング(手押し車用、ガレージドア用、自動物流設備用)を主要製品とし、米国、カナダを主要市場としている。コンベア部品の大手サプライヤーであるため、世界経済低迷による影響は低い。また、運搬設備産業の景気は好調のため、PRO-HAWKの連結売上高は同5.07%増の7億400萬台湾元となった。

  各社の収益について、ハイウィンは連結売上高の減少、粗利益率の減少及び運営費用増加などの影響で、2016年1〜3月の営業利益は前年比78.27%減の1億4,900萬台湾元となり、連結当期純利益は同84.47%減と大きく減少した。CPCの連結売上高は減少したが、粗利益率が成長した恩恵を受け、営業利益は同95.83%増となったうえ、連結当期純利益も赤字から黒字に浮上した。16年1〜3月PRO-HAWKの連結売上高は減少したが、運営費用の減少により、連結当期純利益は同2.26%増の8,500萬台湾元となった(表5参照)。

五、未來展望
 2016年下半期について、中国経済の経済鈍化が継続し、機械産業の景気に影響を及ぼしたため、台湾機械式伝動設備製造業への需要は減少する予測だ。しかし、台湾経済は小幅成長と予想されている。また、円高の継続により、台湾機械産業の輸出受注はマイナス成長を脱出する見通しで、台湾機械式伝動設備製造業の内需拡大を押し上げるだろう。加えて比較対象となる数値が低いため、16年下半期台湾当産業の生産額、販売額はそろって成長する予測だ。

  製品別から見ると、需要回復の恩恵を受け、2016年下半期台湾機械式伝動設備製造業各製品の販売額は成長する見通しだ。このうち、台灣機械産業の景気回復、円高の継続により台湾当産業への受注が増加し、加えて比較対象となる数値が低いため、ボールねじ及びリニアガイドの販売額は大きく成長する見通しだ。同時にベアリング及びギアなどの項目も需要回復の恩恵で販売額は成長する予測だ。

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