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【ワイズリサーチ】2016年1〜8月自動車製造業景気動向


リサーチ マーケティング 台湾事情 作成日:2016年11月17日

機械業界 自動車・二輪車

【ワイズリサーチ】2016年1〜8月自動車製造業景気動向

記事番号:T00067621

一、台湾自動車市場概況

 2016年9月、多くの自動車メーカー販売台数は大きく成長した。リーダーメーカーの和泰(ホータイ・モーター)の納車数は前年同期比75.3%増の9,454台となった。裕隆日産(NISSAN TAIWAN)のX-Traillは国産スポーツ用多目的車(SUV)の単月販売台数のトップとなったほか、March、Livina、Tiida、Sentra、Teanaなどの製品及び輸入ブランドInfinitiの販売台数はそろって大きく成長した恩恵を受け、売上高を押し上げた。メルセデス・ベンツは主要車種の好調により、全ブランド9月の総販売台数は2,100台を超え、2カ月連続で台湾自動車市場販売ランキングのトップ4位にランクインした。

  2016年9月台湾新車登録台数は前年同期比34.67%増の32,626台となり、16年1〜9月の新車登録台数は同4.1%増の316,991台で、そろって成長のトレンドを見せた。しかし、タイヤ空気圧測定器の装着が義務化し、ホータイ・モーターがヒット商品のWish、Innovaの生産中止を決めたほか、マツダモーター台湾は業務を代理販売のみに縮小した。また、高級車ディーラーは低価格モデルをリリースし、その価格は国産自動車とほぼ同じのため、一部の需要は奪われた。
 さらに、国産車はスペック、オプションなどの規格が輸入車より劣るため、若い世代に人気がなく、国産車の販売にも影響を及ぼした。経済部工業生産統計データベースの資料によると、2016年1〜8月台湾自動車製造業の生産額は同7.80%減の1,295億6,100万台湾元で、販売額は同4.52%減の1,416億4,200万台湾元となった(表1参照)。



 2016年第4四半期、外車及び国産車ディーラーは新車モデルをリリースしたため、10月の自動車納車数を押し上げた。また、自動車ディーラーが様々なキャンペーンを打ち出した恩恵を受け、16年第4四半期台湾自動車市場は前年同期と比べ、成長する見通しだ。

二、製品別販売概況

  輸入車の価格が国産車とほぼ同じレベルに下がり、若い世代の輸入車ブランドへの興味が高い影響で、国産車の販売は劣勢を強いられている。2016年1〜8月排気量2,000c.c.以下及び2,000c.c.以上の自動車販売数はそろって前年同期と比べ、減少傾向を示した。しかし、中古車買替補助政策の実行により、多くの企業は小型トラックの購入を決定し、小型トラック(3.5トン未満)の販売額は前年同期比16.54%増となった。また、裕隆のラクスジェン・モーターがリリースした新モデルV7はタクシー業者の好評を得て、ミニバンの販売額は同5.63%増となった(表2参照)。


三、輸出入概況
 台湾自動車製造業の輸入について、NISSAN TAIWANのQ30、ホータイ・モーターのラクスジェンなどのモデルは消費者からの人気が高く、自動車ディーラーもメーカーに輸入割当の拡大を求めた。それゆえ、2016年1〜8月台湾当産業の輸入額は前年同期比4.57%増の962億4,300万台湾元となった。

  輸出について、台湾自動車製造業の主要輸出先は中東エリアで、トップ5位の主要輸出先国は順に▽サウジアラビア▽アラブ首長国連邦▽オマーン▽クウェート▽バーレーンである。2016年に入り、オイルシェールとの価格競争、世界経済の鈍化、原油在庫高及び供給過剰の影響で、石油価格の低迷が続き、連帯的に産油国の経済に影響を及ぼした。そのため、台湾当産業への需要は縮小し、輸出額も前年同期比27.07%減の168億7,300万台湾元となった(表3参照)。

四、メーカー概況

 2016年、メルセデス・ベンツの台湾における販売額は過去最高となった。これはニュー・ジェネレーション・コンパクト・カー(NGCC)のリリースが若い世代から好感触を得たほか、4ドアクーペのCLA及びCLA SBのモデルチェンジが発売され、販売額を押し上げた。また、若い世代の関心を集めるため、台湾メルセデス・ベンツは販売ルートの強化に注力した。16年1〜8月メルセデス・ベンツの累計新車登録台数は前年同期比16.5%増の16,479台で、3大高級車ブランドのトップを飾った。
  一方、2016年1〜8月BMWの累計新車登録台数は前年同期比6.6%減となったが、BMW代理販売業者の汎徳は台湾の若い世代の消費力に注目し、新しいモデルの118i及び218iActive Tourerをリリースした。同時に低金利自動車ローン及び自動車点検用オプションのサービスなどのキャンペーンを実施した。また、BMW・1シリーズのシューティングブレーク及びBMW・2シリーズのActive Tourerはリリースしてから、好調を維持していることにより、汎徳は今後も積極的に新しいモデルを投入するだろう。

五、電気自動車メーカー動向

  2016年9月、唐栄車輛科技(TAV)、華徳動能(RAC)及び凱勝緑能科技(KGET)などの電気バスメーカーはスクールバス、ローカル路線バス及び観光路線バスのビジネスチャンスに目を付け、生産能力の拡大及び電池の組立工場への投資を計画している。

  このうち、TAVは電池の自力生産という目標を達成するために、2億台湾元を投入し、台中で電池の組上げ工場を設置した。工場が完成したあと、年間生産量は電気バス1,000台分の電池が供給できる見通しだ。また、自社製品に応用するほか、電気バスの輸出に合わせて提供できる。現在、桃園市、台中市、金門県一部の路線バス、及び台湾積体電路製造(TSMC)が南部科工業園区(南科)の従業員向けの交通バスは全てTAVの電気バスを採用している。2016年の出荷台数は前年と比べ、倍成長の100台となる予測だ。さらにTAVは商業用車大手メーカーのボルボと提携し、米国の電気バス市場に踏み入れる計画だ。

  KGETは中国の比亜迪(BYD)製のシャーシを輸入し、台湾で組立てるという方式で運営してきたが、今年10月に60億台湾元を投入し、台湾嘉義の馬稠工業区で電気自動車研究開発と生産拠点の設置計画を発表し、竣工予定は18年だ。同拠点の生産能力は電気バス各製品の年間生産台数は1,000台を超え、今後の輸出受注に対応できる予定だ。同時に毎年300億台湾元の生産額をもたらし、台湾の電気自動車関連産業において、最も規模が大きい投資案件となる。

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