記事番号:T00069626
需要縮小および為替変動の影響で、2016年台湾工作機械の主要上場・店頭公開メーカーの連結売上高はそろって減少傾向だ。特に喬福機械(ラウンドトップ・マシナリー)および福裕事業(CHEVALIER)の減少幅は3割超となった。ただし、16年下半期から台湾経済、工作機械産業の受注は回復の兆しを見せ、一部メーカーの連結売上高をけん引した。
このうち、プレス機大手の協易機械(SEYI)は製品の大型化・サーボモーター機構の導入を通じて、構造転換・技術向上の目標を達成した。さらに「インダストリー4.0」および「中国製造2025」に対応するため、自動化部門およびサーボモーター部門を設立したため、受注数が大幅成長し、2016年の連結売上高は前年同期比21.34%増の41億8,500万台湾元となった。また、高鋒工業(kafo)は親会社の和大工業(HOTA)が米国電気自動車大手のステラモーターズのサプライチェーンに組み込まれたことにより、間接的な恩恵を受けたため、連結売上高は前年同期比11.68%増となった。
一方、2017年1月は旧正月休暇で労働日数が少なかった影響で、多くのメーカーの連結売上高は減少傾向で、亜イ(山かんむりに威)機電(AWEA)、高鋒工業および瀧澤科技(TAKISAWA TAIWAN)のみ成長傾向を示した(表1参照)。
各メーカーの利益について、連結売上高は減少し、台湾元高による為替差損などの要因で、2016年1~9月で多くの台湾工作機械産業メーカーの連結当期純利益は減少傾向だ。このうち、亜イ機電、喬福機械、程泰機械(グッドウェイ・マシーン)、高鋒工業および瀧澤科技の減少幅は4割超となった。福裕事業および東台精機(東台マシン&ツール)は赤字に落ち込んだ。しかし、協易機械は連結売上高の大幅成長および営業税の支出が減少したため、連結当期純利益は前年同期比81.99%増の1億5,900万台湾元と大幅成長した。
一、主要メーカー概況
1.程泰機械(グッドウェイ・マシーン)
ここ数年間、製造業の需要減少および為替変動の影響で、旋盤市場は低迷しているため、程泰機械の連結売上高は2015年から減少のトレンドを維持してきた。さらに16年は人民元安の進行および下半期から日本円安が再開した影響で、台湾旋盤メーカーの運営に影響を及ぼし、16年程泰機械の連結売上高は前年同期比9.43%減の64億8,500万台湾元となった。17年1月は労働日数が少ないため、連結売上高は減少傾向を維持し、同7.25%減となった。
程泰機械の利益について、連結売上高の減少および為替差損の影響で、2016年1~9月程泰機械の連結当期純利益は僅か1億8,600万台湾元で、前年同期比69.95%減の大幅減少となった(表2参照)。
2.高鋒工業(kafo)
高鋒工業は立型マシニングセンタ、横型マシニングセンタおよび門型マシニングセンタの製造メーカーであり、近年は多角化経営に注力し、大型CNC工作機械産業に足を踏み入れたほか、運営方針調整の一環として、日本企業との技術提携を強化し、技術力向上に注力している。
自動車およびIT産業用の自動化生産設備の開発に成功した高鋒工業は、工作機械産業の景気回復、親会社の和大工業(HOTA)が米国電気自動車大手のステラモーターズのサプライチェーンに組み込まれたことにより、間接的な恩恵を受けたため、2016年の連結売上高は前年同期比11.68%増の22億6,900万台湾元となった。17年1月の連結売上高も同25.06%増の成長幅を示した。
利益について、2016年高鋒工業の連結売上高は前年同期と比べて小幅成長となったが、粗利益率の減少および台湾元高による為替差損の影響で、16年1~9月の連結当期純利益は同49.63%減と大幅減少した(表3参照)。
3.協易機械(SEYI)
協易機械は台湾プレス機メーカーの最大手メーカーであり、門型プレス機およびC型プレス機を主要製品とし、主な顧客は消費電子製品、家電製品および自動車メーカーが含まれる。
協易機械は大型製品の開発、サーボモーターの導入に注力し、その結果、協易機械はプレス機大手メーカーのトップ5位にランクインすることができた。さらに、協易機械の中国昆山工場は「自動車生産設備の技術革新」をテーマとして、ストレートサイド4ポイント式偏心ギアプレス機、ダイレクトサーボプレス機をリリースしたため、中国からの受注は大幅成長した。また、米国からの需要も増えたため、2016年協易機械の連結売上高は前年同期比21.34%増の41億8,500万台湾元となった。ただし、17年1月は労働日数が少ないため、連結売上高は減少傾向で、同5.80%減となった。
利益について、連結売上高の成長および営業税の支出減少の恩恵を受け、2016年1~9月協易機械の連結当期純利益は前年同期比81.99%増の1億5,900万台湾元となった(表4参照)。
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