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企業紹介——志聖工業(C SUN)


リサーチ 台湾事情 その他 作成日:2017年7月13日

機械業界 工作機械・産業機械

企業紹介——志聖工業(C SUN)

記事番号:T00071645

 志聖工業(C SUN)の前身は1966年に設立された一成儀器製造所である。78年4月に現所在地の新北市林口に工場を移転し、志聖工業に改名した。その後、86年に中国広東省広州市に広州日上公司(90年に志聖工業広州に改名)、97年には中国江蘇省蘇州市に昆山工場を設立し、生産能力の強化を図った。また台湾では2012年に台中新工場が完成している。
 志聖工業の主要業務は工業用乾燥設備(紫外線乾燥設備、無塵乾燥設備)、紫外線露光設備(手動/半自動および自動)、ラミネーター(手動・自動)、ローラコーター、プラズマエッチング設備などの機械・部品の製造、メンテナンス、販売である。製品はプリント基板(PCB)、発光ダイオード(LED)、半導体、電子部品、パソコン周辺機械、ソーラーパネルおよびタッチパネルなどの産業で広く応用されている。同社はPCB製造設備の製造を長年行っていたが、近年は薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT-LCD)製造設備の製造に参入し、現在PCBとTFT-LCD製造設備の生産額は合わせて全体の80%を超えている。また同社は台湾で唯一TFT-LCD前工程で使用される酸化・拡散炉を製造するメーカーでもある。

製品概要
 志聖工業の主要製品はPCB、パネル、半導体およびLED産業などの製造設備である。2015年の売上高の内訳は▽熱硬化設備(26%)▽光硬化設備(11%)▽フォトリソグラフィ設備(ドライエッチング、23%)▽フォトリソグラフィ設備(ウェットエッチング、12%)▽その他製品(27%)——であった。
 志聖工業はTFT-LCD前工程で使用される酸化・拡散炉を製造する台湾唯一のメーカーであり、中国の第5世代工場で使用されている酸化・拡散炉はすべて同社の製品だ。現在、第8.5世代工場向けの酸化・拡散炉の開発にも成功しており、液晶セルのポリイミド塗布・ベーク工程、TFTアレイのアニール工程およびモジュールの劣化テストなどに応用することができる。酸化・拡散炉は同社のTFT-LCD設備の売上高の6〜7割を占めている。

経営概況
 2015年、志聖工業の業績は半導体産業の不況を受けて売上高が減少したことに加えて、経営コストが増加したことから赤字に転落した。しかし、16年は景気が回復したため、売上高は14年を超える水準まで伸びた。17年第1四半期も16年の好調を維持し、売上高、営業利益および当期純利益はいずれも前年同期比で成長した(表1参照)。

 志聖工業は生産能力拡大のほか、新製品の研究開発(R&D)にも注力している。TFT-LCD設備の酸化・拡散炉は2015年および16年に「ゴールドパネルアワード(ディスプレイ部品製品技術賞)」を2年連続で受賞し、また「台湾精品(タイワンエクセレンス)」も獲得している。さらに12年には国際半導体製造装置材料協会(SEMI)から産業貢献賞を受けており、同社製品の台湾市場、海外市場における評価の高さが伺える。現在、志聖工業の主要顧客は中国、日本、韓国、タイ、シンガポール、米国およびインドなどに広がっている。
 志聖工業は現状に満足していない。たゆまぬ改良と革新を進めた新製品の開発に注力し、社員が協力と競争を通じて能力を高め、社会へ貢献していくことが企業の責任であると考え、それを理念に掲げている。今後はトータルソリューションを確立して高い生産力を持ち、かつ省エネ重視のトレンドに対応する設備を顧客に提供していくことを目指す。

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