【ワイズリサーチ】台湾手動工具産業の振り返りと未來の展望——2018年第3四半期


リサーチ マーケティング 台湾事情 作成日:2018年11月29日

機械業界 手動工具

【ワイズリサーチ】台湾手動工具産業の振り返りと未來の展望——2018年第3四半期

記事番号:T00080664

一、産業概況
 例年、第3四半期は手動工具産業の需要期であることから、生産額と輸出入額は第2四半期を上回ることが多い。
 2018年は主要国家の経済が回復し、世界の製造業も好況を迎えた。このため、18年第3四半期の台湾手動工具産業の生産額は前期同期比2.3%増の179億9,000万台湾元、また輸出額は同6.5%増の171億4,000万台湾元、輸入額は同4.7%増の11億1,000万台湾元となった。

二、メーカーの動向
◎旭宏金属は核心技術で欧州自動車メーカーのサプライヤーに
 粉末冶金部品製造を専門とする旭宏金属(Auroral)は、自動車・二輪車部品、電動・エア工具、ギアなどを主要製品としている。世界市場の開拓と販売策略が順調に推進されており、多くの大手自動車メーカーから受注を獲得している。主要顧客はドイツ、米国、日本、インド、オランダ、フランス、トルコ、スイスおよびロシアなどのメーカーだ。
 同社は2008年にTS16949認証を取得し、ドイツおよび日本の自動車産業のOEM(相手先ブランドによる生産)サプライヤーとなった。その後、10年に焼結・熔接技術を導入したことで製品の歩留り率がほぼ100%となり、月間出荷数は250万件に達している。また、17年には自動光学検査(AOI)やビッグデータ、製品の生産履歴管理システムなどを組み込んだ成形体加工プロセスを確立した。さらに、多品種少量生産に適したシステムの導入によって粉末冶金自動化生産のモデルラインを構築し、顧客のニーズに合わせたサービスを提供している。
◎金石門は職人技で世界市場を開拓
 1981年創業の金石門(Asmith)は、鍛冶職人としての精神を「鉄匠」という自社ブランドで表現している。主要製品は▽蝶番▽ロック▽ファスナー▽アジャスター▽取っ手▽パッキン▽キャスター——で、世界5大陸で販売されている。また、長年の経験と職人精神を基盤として厳しい品質管理を行う同社は、デジタルトルクレンチシリーズの開発に成功した。同製品は0.1~1,000 N・m(ニュートンメートル)という広いトルク範囲を実現し、高い精度と安定性を誇る。

三、2018年第3四半期トピック
 「2018年台湾五金(金物)展(TAIWAN HARDWARE SHOW 2018)」が10月17日から19日まで台中国際展覧館で開催され、海外・台湾のメーカー425社が出展した。台湾中部には手動工具産業クラスターが形成されていることが強みとなり、受注額は約250億台湾元に達した。台湾手動工具工業同業公会(THTMA)の游祥鎮理事長は「台湾製手動工具は高品質かつ高コストパフォーマンス、そして技術革新も進んでいると世界市場で評価されており、長期にわたって各国の顧客に愛用されている。本展示会は手動工具産業にとって年に一度の大イベントであるだけでなく、アジアで唯一のハイエンド金物・工具の展示会だ。メーカー各社の努力によって、台湾手動工具産業(電動工具を含む)の17年の生産額は前年比6.3%増の1,180億台湾元となった。今後、台湾金物産業はハイエンド製品を主力製品とすべく研究開発を推進し、ブランド力の強化と世界市場の開拓に注力することによって、台湾手動工具産業の競争力を維持していく」と述べた。

四、未来の展望
 2018年第3四半期は、世界景気の好調を受けて外需が依然として強かったことから、台湾手動工具産業の生産額は前年同期比で成長した。18年第4四半期は需要期が終わっていることに加えて、米中貿易戦争の激化や新興各国における金融市場の不安定化といった懸念材料が残る。さらに比較対象となる昨年の数値が高かったため、18年第4四半期の台湾手動工具産業の生産額は大幅減少する見通しだ。
 2018年は世界経済の好況が続いたが、この好景気は終わりつつあると予想されており、今後は金融市場のリスクが徐々に増加して経済成長も緩やかになっていくだろう。また、米中貿易戦争の先行きも不透明であることから、台湾手動工具メーカーは慎重に対応していかなければならない。

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