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【ワイズリサーチ】台湾専用機械設備製造業の景気動向


リサーチ 台湾事情 その他 作成日:2018年12月27日

機械業界 工作機械・産業機械

【ワイズリサーチ】台湾専用機械設備製造業の景気動向

記事番号:T00081216

専用機械設備製造業は、▽農業用及び林業用機械設備▽鉱業及び建築業用機械設備▽食品、飲料及びたばこ用機械設備▽繊維、アパレル及び皮製品用機械設備▽木工機械設備▽化学工業機械設備▽ゴム及びプラスチック加工用機械設備▽電子及び半導体用機械設備▽未分類その他専用機械設備――を生産している。

一、市場概況
 2018年、台湾の経済成長率は第1四半期が3.15%、第2四半期が3.29%で、前年上半期と同水準の3%以上となった。第3四半期は米中貿易戦争の影響で2.27%に落ち込んだものの成長は維持しており、企業の投資意欲も高まっている。また18年1~10月の台湾製造業生産指数は前年同期比4.65%上昇しており、なかでも機械設備業が9.92%成長した。機械設備業は受注が伸びており、これによって生産規模を拡大した。
 世界経済が安定して成長していることに加えて、2018年上半期は中国が輸入拡大政策を続けたことから、台湾機械設備業の輸出受注が大きく成長した。
 台湾と海外の需要がそろって伸びたことから、18年1~9月の台湾当産業の生産額は1,864億100万台湾元で前年同期比9.22%増、販売額は1,883億9,800万台湾元で同10.59%増となった(表1参照)。

 2018年第4四半期は米中貿易戦争が激化したことを受けて、台湾メーカーが中国から台湾へ生産拠点を引き上げる動きが加速し、台湾当産業に対する需要が拡大した。これにより18年10月の製造業生産指数は前年同期比で大きく上昇し、とくに機械設備業は11.79%となった。輸出受注の好調が追い風となり、第4四半期の台湾当産業の生産額と販売額も成長傾向を維持するとみられ、18年通年の販売額は2,558億7,800万台湾元となる見通しだ。しかし、比較対象となる前年の数値が高かったことから、成長率は前年比8.67%にとどまると予測される。

二、販売動向
 2018年1~9月の台湾当産業全体の販売額は前年同期比で大きく成長したが、多くのカテゴリーで販売額が減少した。「ゴム・プラスチック加工機械製造業」はスマートフォンなど3C(コンピュータ、通信、家電)の販売が落ち込んでおり、自動車の生産台数も世界的に低迷しているため、販売額は199億5,600万台湾元で前年同期比8.57%減となった。「繊維・アパレル・皮革生産機械製造業」は台湾市場での需要が弱まったことに加えて、東南アジア諸国連合(ASEAN)市場で中国メーカーが力を伸ばしていることから、販売額は216億6,500万台湾元で同6.78%減少した。また「農業・林業機械製造業」と「木工機械製造業」はそれぞれ同3.55%減、同2.40%減となった。一方、「電子業及び半導体生産機械製造業」は台湾市場で輸入代替が進んだことから販売額が押し上げられ、中国からの受注も好調であったことから販売額は834億4,900万台湾元で同27.84%増と大きく伸びた。「化学工業機械製造業」は国際原油価格が上昇したことを受けて川下業者の設備調達が進んだことに加えて、比較対象となる前年同期の数値が低かったことから、販売額は102億4,000万台湾元で同7.41%増となった。なお、「鉱業・建設機械製造業」、「食品・飲料・タバコ生産機械製造業」、「その他未分類機械製造業」はそれぞれ同16.72%増、同6.89%増、同8.96%増であった(表2参照)。 

三、輸出入概況
◎輸入
 2018年に入ってから台湾の電子業は好景気が続いており、なかでも半導体産業の販売額は前年比10%以上成長する見込みだ。しかし電子業全体の投資意欲は依然として低迷しており、経済部統計処の資料によると18年1~6月の台湾電子業(電子部品製造業、コンピュータ・電子製品と光学製品製造業)の設備投資額は前年同期比22.46%減となっている。オランダのASMLが漢微測科技(エルメス・マイクロビジョン、HMI)を買収後、台湾での投資規模を引き上げており、国際半導体設備大手メーカーも台湾に工場を設置したことから輸入代替が進んだため、18年1~10月の台湾当産業の輸入額は前年同期比3.26%減の3,695億5,700万台湾元となった。
 台湾市場における需要は、経済が安定して成長していることに加えて、台湾メーカーが中国から台湾へ工場を引き上げる動きが加速していることから成長してきた。しかし18年10月になると、米中貿易戦争の影響を受けてメーカー各社が様子見の姿勢を取るようになったため、台湾当産業の輸入額は同17.15%減となり、18年第4四半期の輸入額も大きく減少する恐れがある。18年通年の輸入額は4,398億030万台湾元で前年比4.95%減となる見込みだ。

◎輸出
 2018年上半期、中国経済は成長を維持し、輸入拡大によって貿易黒字の解消を図った。米国経済も好調で、インフラ建設と製造業の国内回帰が進んだ。このため、中国と米国からの設備調達が増加し、18年1~10月の台湾当産業の輸出額は1,698億4,000万台湾元で前年同期比6.36%増となった。18年10月は、米中貿易戦争が台湾当産業の対中国輸出に悪影響を及ぼしたが、中国が機械設備の輸入拡大を続けたことに加えて、米国とASEAN各国からの受注も大きく伸びた。そのため、台湾当産業の輸出額は同11.25%増となり、18年第4四半期もこの勢いが続くとみられる。18年通年の輸出額は2,105億4,700万台湾元で前年比8.09%増となる見通しだ(表3参照)。

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