李登輝元総統は6日、馬英九総統が中台関係を「国と国との関係ではない」と発言するなど、台湾の主権を後退させて中国への傾斜を進める姿勢に対し、「これでどこが総統なのか。不適任だ」と強く批判した。李元総統が公の場で馬総統への批判を行ったのは、馬政権発足後初めて。7日付中国時報が報じた。
李元総統はまた、「陳水扁前総統は2002年より海外への送金を行っていた」と暴露。陳前総統が「李元総統も不正を行っていた」とたびたび批判することに対し、「死のうというときに他人を巻き込もうとする」と不快感を示した
(6日=中央社)
李元総統は「馬政権は直航チャーター便、中国人観光客来台実現のためにもともと存在しない『1992年の共通認識(一つの中国、それぞれの解釈)』を認めた。台湾の経済・民生を立て直せないばかりか、『経済によって統一を促進する』中国の戦術にはまり込もうとしている」と指摘した。
李元総統は1999年に中台関係を「特殊な国と国の関係」と位置づける「二国論」を展開しており、「絶対に『一つの中国』内部の関係ではない」と述べて「国と国ではない」という馬総統の発言を批判。さらに「馬政権の政治面、経済面の措置はすべて最終的な統一を目指している。台湾人民は馬総統を当選させたが、台湾の主権を後退させる権限を与えたわけではない。台湾の前途は台湾2,300万人の人民が決めるべきであり、国民党と共産党が密室で決めてはならない」と訴えた。