ニュース 電子 作成日:2022年2月25日_記事番号:T00101210
ロシアのウクライナ軍事侵攻を受け、中華民国工商協進会(CNAIC)の林伯豊・理事長は23日、ロシアとウクライナは半導体製造に使われる▽ニッケル、▽パラジウム、▽ネオン──などの主要輸出国のため、もし輸送が止まれば、電子産業のサプライチェーン(供給網)が寸断される恐れがあると指摘した。中華民国全国商業総会(商総)の許舒博・理事長は、当面は在庫で対応できるが、もし3カ月以上長引けば、サプライチェーンへの打撃は大きいと懸念を示した。25日付工商時報などが報じた。
経済部は24日、主にロシアとウクライナから輸入する▽パラジウム、▽ネオン、▽鋼材──について製造業各社に確認したところ、域内に在庫は十分にあり、他にも調達先があるため、影響はあまり大きくないと説明した。ただし、期間が長引けば、これらの輸入に影響が出ると指摘した。
ウクライナでは、半導体の露光工程に使用するネオンや、エッチングガスに使用するヘキサフルオロ1,3ブタジエン(C4F6)、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の主要材料のパラジウムが産出される。
半導体業関係者は、ネオンやヘキサフルオロ1,3ブタジエンは在庫が6カ月分あり、パラジウムは代替できる材料があるため、台湾メーカーへの影響は軽微と語った。また、2011年の東日本大震災など何度もの危機を教訓に、代替の材料模索や技術開発で、リスク分散を講じていると説明した。
市場調査会社、集邦科技(トレンドフォース)は、今後これらの供給量が減少すれば価格が上昇し、ファウンドリーがコスト上昇を受け、値上げする可能性があると分析した。
また、最終製品の需要が鈍れば、メーカーへの発注削減につながる可能性があると指摘した。
物価上昇は必至
林・理事長は、欧米諸国によるロシアへの経済制裁で、原油価格が必ず上昇し、物価も上昇すると述べた。産業界は、物価安定が当面の重要課題で、パニックによる買い占めが起こらないようにしなければならないとの見解で一致している。
行政院は、原油や天然ガス、大豆、小麦、トウモロコシなどの輸入価格、株式市場や為替市場の変化に目を光らせている。
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