ニュース 自動車・二輪車 作成日:2022年3月7日_記事番号:T00101342
ロシアのウクライナ軍事侵攻により、自動車用ワイヤハーネス(組電線)の世界最大手、独レオニがウクライナ、ロシア工場の稼働を停止し、フォルクスワーゲン(VW)などドイツの自動車メーカーが生産停止に追い込まれる中、台湾のワイヤハーネス大手、貿聯控股(ビズリンク・ホールディング)や、鴻海精密工業傘下の広宇科技(パン・インターナショナル・インダストリアル)は、受注が増えると見込まれている。1月にレオニの産業用応用事業部門(INBG)を買収したビズリンクは、ワイヤハーネスの品薄は深刻で、ウクライナ侵攻が長期化すれば、レオニは外部から調達せざるを得ないと指摘した。7日付経済日報が報じた。
レオニは、ウクライナ西南部の工場2基の稼働を停止した。従業員は計7,000人。ロシアの2基も稼働を停止した。ドイツの自動車大手メーカーはワイヤハーネスの大部分をレオニから調達している。
VWは、ワイヤハーネスの在庫がほぼ底をつき、工場2基の稼働を数日停止した。今後、他の工場も稼働を停止する可能性がある。
BMWは、同社最大の生産拠点、ドイツ・ディンゴルフィング工場の生産を1週間停止すると表明した。
メルセデス・ベンツやポルシェ、アウディも、影響が出ると見込まれている。
生産移転はコスト増
ビズリンクは、最近の自動車は装備が増えており、装備の制御ユニットごとに、ワイヤハーネスが必要で、ワイヤハーネス需要が拡大し、かつ複雑化していると説明した。工場ごとに供給先を設定しており、切り替えは容易でない。ウクライナ侵攻が長引けば、サプライチェーンの組み変えが起こると指摘した。
一方で、ワイヤハーネスの重量は、自動車1台当たり40〜50キログラムと重いため、西欧や南欧などに生産地を移転すれば、輸送距離が長くなり、コストが増大すると分析した。
広宇科技、EV向け受注増へ
鴻海の劉揚偉・董事長は、ウクライナ侵攻で、一部顧客の出荷が停止しており、ワイヤハーネスの供給にさらに影響が出るか、注視すると語った。
業界関係者は、鴻海が自動車大手、裕隆集団と推進する電気自動車(EV)のオープンプラットフォーム、MIH聯盟(MIHコンソーシアム)が開発した電動バス「モデルT」が今月初旬に納車されたことなどで、広宇科技はワイヤハーネス受注が見込め、今年の売上高は2桁成長すると予測した。MIHコンソーシアムが来年、スポーツ用多目的車(SUV)の「モデルC」やビジネス用高級セダンの「モデルE」の量産に入れば、広宇科技のEV向けの売上高構成比はガソリン車に追い付くと予測した。
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