ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2022年3月9日_記事番号:T00101392
ウクライナ軍事侵攻を受けた欧米などの対ロシア経済制裁を受け、ステンレスなどの原材料のニッケル価格が、主要生産国のロシアからの供給不安で急騰する中、台湾のステンレス最大手、燁聯鋼鉄(YUSCO)などが、価格提示をやめ、受注を一時停止した。林義守・YUSCO董事長は、8日のニッケルの先物価格が一時1トン当たり10万米ドルと、一気に2万米ドル上昇するなど、投機の疑いがあり、変動が大き過ぎるので、オファー価格を決定しかねると語った。情勢が明らかになってから価格提示を再開する方針だ。9日付経済日報などが報じた。
ニッケル国際価格の指標となるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物価格は8日一時、1トン当たり10万1,365米ドルと前日終値比2.1倍に跳ね上がり、過去最高を更新した。LMEは同日、ニッケルの取引を即日停止する異例の措置を取った。
ニッケルは、ステンレスの主原料で、コストに占める割合が5割に上っている。
台湾ではYUSCOのほか、▽唐栄鉄工廠(唐栄アイロン・ワークス)、▽華新麗華(ウォルシン・リーワ)、▽ステンレス鋼管の允強実業(YCイノックス)──など、川上・川下のステンレス関連メーカーがオファー価格の提示をやめ、受注を一時停止した。ステンレス鋼管大手の彰源企業(フロッチ・エンタープライズ)は、4~5月分の受注量を制限している。
「3月出荷は問題なし」
YUSCOは、ニッケルの安全在庫1~2カ月分は常にあると説明した。林・董事長は、原材料を南米など複数の国・地域から調達している上、同社は中国子会社の福建聯徳企業がニッケル合金を生産しており、供給が途絶えることはないと強調した。
唐栄鉄工廠は、ウクライナ危機の影響によるニッケル国際価格の急騰は、短期的とみられるが、いつまで続くか分からないため、受注を停止したと説明した。安全在庫の1~2カ月分はあり、3月分の受注は既に満杯だが、予定通り出荷できると説明した。
允強実業と彰源企業も、3月分の受注が満杯で、3月はそれぞれ1万5,000トン出荷する予定だ。
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