中央流行疫情指揮中心（中央流行疫情指揮センター）が26日に発表した新型コロナウイルス域内感染確認は21人、27日は83人、28日は34人で、計138人増加した。27日の83人は、昨年６月27日発表の88人以来で最多だった。桃園市観音区の大潭発電所の拡張工事に携わる外国人労働者ら63人が感染を確認されたクラスター（感染者集団）などを含め、調査中の感染経路は11件に増えた。４月中旬から検討予定だった、海外からの入境者に対する外出制限「居家検疫」期間の７日間への短縮について、指揮官の陳時中・衛生福利部（衛福部）長は27日、医療リソース確保のため、見送る可能性があると説明した。28日付聯合報などが報じた。

　大潭発電所の拡張工事関連のクラスターの内訳はタイ籍が48人、台湾籍が15人。感染が確認されたタイ籍労働者は新竹県新豊郷の寮に住んでおり、寮と工事現場をシャトルバスで行き来していた。陳・衛福部長は、感染確認者が多いのは、寮内で密集していたためと説明した。

バーなど利用客、３回接種必須

　一方で陳・衛福部長は、現在の懸念は▽基隆市の警察関連、▽台東県の家庭関連、▽新北市三重区の保険会社営業職関連──の３つの感染経路を調査中のクラスターと指摘した。

　基隆市の警察関連のクラスターは、▽26日、５人、▽27日、19人、▽28日、12人──の感染が確認され、計39人に増えた。感染が確認された警察２人が利用した接待を伴うカラオケ兼飲食店から、飲食店の従業員や、利用客とその家族などにも感染が広がった。

　基隆市警察局は、警察２人が接待を伴うカラオケ兼飲食店を訪れたこと自体は警察の風紀に抵触しないが、警察の管轄下にない店を勤務時間中に訪れており、感染拡大の要因となったと指摘した。基隆市政府は26日、同様の業態の店舗224軒を営業停止とした。

基隆市政府は27日、警察950人に検査を実施した（27日＝中央社）

　指揮センターは27日、▽ダンスホール、▽ナイトクラブ、▽バー──などのいわゆる八大産業の娯楽施設の利用客に対し、新型コロナ感染症ワクチンの３回接種の証明の提示を求めると発表した。従業員は３回接種を済ませ、４月末まで週１回の抗原検査を実施する。

　台東県の家庭関連のクラスターは27日、医療機関受診のために受けた検査で陽性だった卑南郷の20代女性と、その家族の計４人の感染確認が発表された。28日には、家族の同僚２人の感染確認が発表された。クラスターは計６人。

　新北市三重区の保険会社営業職は26日に感染確認を発表された。27日には夫とその同僚など４人、28日には夫の友人など２人の感染確認が発表され、クラスターは計７人となった。

　また28日に発表された、新北市中和区と台東県池上郷のそれぞれ１人の感染確認者は、感染経路を調査中だ。

　このほか、新北市樹林区の電動部品メーカー、全球伝動科技（ＴＢＩモーション・テクノロジー）の工場関連で、▽26日、10人、▽27日、２人、▽28日、１人──の感染が確認され、クラスターは計23人に増えた。高雄市の石化工場関連では８人の感染が確認された。

　また大同（TATUNG）は27日、子会社の大同綜合訊電（TATUNGコンシューマー・プロダクツ）の従業員１人が26日に受けたＰＣＲ検査で陽性だったと発表した。職場を消毒したと説明した。

感染一掃の方針変わらず

　陳・衛福部長は、市中にはまだ隠れた感染経路が存在するが、感染を一掃を目指す方針は変わらないと述べた。

　また指揮センターは、域内での感染確認の急増を受け、４月１日から予定していた、歌唱時や開けた場所などでのマスク着用の免除を見送ると説明した。

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