ニュース 電子 作成日:2008年9月11日_記事番号:T00010184
EMS(電子機器受託生産サービス)世界最大手の鴻海精密工業は、8月の売上高が前月比10.2%増、前年同月比では43.05%増の1,435億台湾元(約4,831億円)となり、過去2番目の業績を記録した。コンシューマ向け電子製品やパソコン(PC)などの出荷が伸びたことが高い成長率の理由だ。8月は、広達電脳(クアンタ・コンピュータ)や仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)など、大手電子企業が業績を下げる中、鴻海は一足先に景気の低迷状況から抜けだそうとしているようだ。11日付経済日報などが報じた。
鴻海は今年、売上高の年成長率目標を30%に設定しているが、上半期の年成長率は20.51%と目標を大きく下回った。しかし、第3四半期に入り7月は34.93%増、8月は43.05%増と2カ月連続で目標を上回った。鴻海の8月売上高は証券会社予測の1,350億元も上回り、9月はさらに成長して昨年12月に記録した単月1,493億元を超えて、1,500億元を突破するとみられる。
史上最速、9月に1兆元超え
鴻海の今年1~8月の累計売上高は既に8,892億元に達している。このまま成長を続ければ、昨年は11月に達成した累計売上高1兆元突破を、今年は2カ月早い9月に達成できる見通しだ。9月の1兆元超えは台湾の単一企業としては史上最速。ただ1~8月の累計では年成長率25.67%となっており、通年での年30%成長目標にはまだ距離がある。
鴻海の丁祈安スポークスパーソンは、「8月は主力製品のうちコンシューマ向け電子製品および通信製品の成長が最も著しく、PC製品もハイシーズンの成長水準を維持した」と語った。ただ、長期的な受注と世界経済全体の見通しについては「悲観的に見守る」と慎重な姿勢を示した。
今年のピークは11~12月
外資系証券会社は、「鴻海は既に今年の最も苦しい時期を過ぎており、原料価格高騰が収まるに従って下半期は粗利益率の低下も限られたものになる」と分析している。電子製品ハイシーズンの到来により鴻海では、PC、アップルのiPodとiPhone、ソニーのPSPなどのゲーム機で受注が成長を維持し、さらに9月にはソニーの液晶テレビ出荷も正式に始まることから、今年の売上高ピークは11月から12月の間となるとみられる。
09年Q1はノートPCが貢献
また鴻海は第4四半期、米ヒューレット・パッカード(HP)とデル向けのノートPCが少量ながら出荷開始となる。来年上半期には本格的に出荷が始まり、来年第1四半期の売上高に大きく貢献するとみられる。ただ、ノートPCは粗利益率が比較的低いため、同社の来年上半期の業績は利益率が注目点となる。
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