有料会員制の大型量販店、好市多（コストコホールセール台湾）は1日、プライベートブランド（PB）「カークランドシグネチャー」の衛生紙（ティッシュペーパーやトイレットペーパー）価格を1セット389台湾元（約1800円）へと24元（6.6％）引き上げた。2021年10月、今年5月に続く直近1年で3度目の値上げで、値上げ幅は累計21％。原材料や輸送コストが上昇する中、7月に電力料金が平均8.4％引き上げられ、他の製品にも値上げが広がりそうだ。5日付経済日報などが報じた。

　王友玫・コストコ副総経理は、カークランドシグネチャーの衛生紙は台湾で生産しているが、輸入パルプを使用しており、原料価格や運賃の上昇が続く中、米国本社と検討した結果と説明した。

カルフールも値上げ検討

　量販店大手の家楽福（カルフール）も、プライベートブランドの衛生紙の値上げを検討しているとコメントした。

　量販店大手の愛買（aマート）やスーパーマーケット最大手、全聯福利中心（PXマート）は、衛生紙メーカーから値上げの通知はないと説明した。

　衛生紙「春風（アンダンテ）」などを手掛ける正隆（CLC）は、パルプ価格が昨年の1トン当たり600米ドルから、今や800米ドル以上に、3〜4割上昇したほか、石炭価格も3倍に上昇しており、値上げはやむを得ないと指摘した。新型コロナウイルス域内感染状況が落ち着いてから、顧客と交渉すると説明した。

製菓・製パン材料も上昇

　ベーカリー業界関係者は、ベーカリーで使用する粉ミルク、小麦粉、砂糖やバターの価格も、今後さらに上昇すると予想した。

　台湾経済研究院（台経院、TIER）の張建一・院長は、電力料金の引き上げで、あらゆる製品の価格が上昇する可能性があり、消費者物価指数（CPI）を押し上げると予測した。

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