ニュース 電子 作成日:2022年7月28日_記事番号:T00103900
ファウンドリー大手、聯華電子(UMC)の王石・総経理は27日の業績説明会で、半導体産業は、過去2年続いた需要が拡大し続ける「スーパーサイクル」から、在庫調整期に入ったと指摘した。スマートフォンやパソコンなど消費者向け電子製品の需要が減少し、顧客の少数は長期契約通りに納入できていないと明かした。ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)、力晶積成電子製造(パワーチップ・セミコンダクター・マニュファクチャリング、PSMC)も7月中旬に、顧客が在庫調整を始めたと指摘していた。28日付経済日報などが報じた。
王・総経理は、これまでUMCは生産能力利用率が100%以上の「過剰状態」だったが、100%の「満載状態」に低下すると説明した。▽車載、▽工業、▽サーバー──向けなどの需要は依然堅調だと指摘した。
サムスンを7月末訪問へ
電子時報によると、王・総経理は31日に10人のチームを率いて韓国に向かい、大口顧客のサムスン電子を訪問し、新たに就任したファウンドリー部門の幹部と面会する。
サムスンは6月中旬、半導体などの新規調達を一時停止するとサプライヤーに通知したと報じられていた。サムスンは需要減少は一時的と考えており、ソニーと競合関係にあることから、UMCに生産を委託する相補性金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサー(CIS)や28ナノメートル製造プロセスのイメージ・シグナル・プロセッサー(ISP)の発注に変更はないようだ。
増産ペース鈍化
UMCは業績説明会で、南部科学園区(南科)のFab12AのP6工場について、設備の搬入が遅れており、2023年6月に稼働する予定だが、生産能力引き上げは予定より遅れると説明した。従来予定していた月産能力3万2000枚に、いつ到達するのか不明だ。
22年の設備投資額は、従来計画通りの36億米ドルで変わりない。
価格は頭打ち
UMCの第2四半期の連結売上高は720億6000万台湾元(約3260億円)で、前期比13.6%増加、前年同期比41.5%増加した。粗利益率は46.5%で、前期比3.1ポイント上昇、前年同期比15.2ポイント上昇した。純利益は213億3000万元で、前期比7.7%増加、前年同期比78.6%増加した。いずれも過去最高だった。
王・総経理は、製造プロセスの差別化が貢献したと説明した。有機EL(OLED)ディスプレイドライバIC(DDI)やISP、Wi-Fiや車載用ICの需要で、22ナノ、28ナノ製品の売上高は前期比29%増加し、売上高全体の約22%を占めた。
第3四半期の見通しは、ウエハー出荷枚数、製品の平均価格(ASP)は横ばい、粗利益率は44~46%に下がると予測した。値上げが過去1年3四半期続いたが、オファー価格はあまり上がらないと明かした。
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