ニュース 政治 作成日:2022年8月2日_記事番号:T00103970
ナンシー・ペロシ米下院議長の訪台観測が浮上し、中国が「訪台すれば座視できない」と警告する中、ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音(マーク・リュウ)董事長は米CNNが1日放送したインタビューで、半導体工場は、米国や日本、欧州などの材料や化学品、設備のサプライヤーから供給があるからこそ運営できるので、仮に武力でTSMCを奪取したとしても、サプライチェーン(供給網)が途切れ、運営を続けることはできないと強調した。半導体産業やTSMCは、中国との軍事衝突を回避するための、台湾にとっての「シリコンの盾(シリコンシールド)」といわれている。2日付工商時報などが報じた。
ペロシ下院議長(左)は1日にシンガポールを訪問した。2日夜に台湾入りするとみられている(1日=中央社)
劉氏が2018年にTSMC董事長に就任以来、海外メディアに政治について語るのは初めて。
劉・董事長は、仮に中国が軍事侵攻した場合の台湾や経済への影響について問われ、戦争には勝者はおらず、誰もが敗者だと指摘。半導体は台湾経済にとって基幹産業だが、いったん台湾海峡で戦争が発生すれば、世界の秩序は崩壊し、地政学的構図も完全に変わるので、半導体どころでなくなると語った。
中国経済にも打撃
劉・董事長は、仮にTSMCの操業が停止すれば、中国への最先端チップの供給もなくなり、サプライチェーンが寸断され、中国経済に甚大な影響を及ぼすと指摘した。
TSMCの中国市場の売上高構成比は10%。中国は、消費者向け電子製品の巨大なマーケットで、TSMCは消費者向け電子製品用に供給しているだけで、軍事用はないと説明した。
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