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8月失業率4.14%、不景気の影響顕著に


ニュース その他分野 作成日:2008年9月23日_記事番号:T00010435

8月失業率4.14%、不景気の影響顕著に

 
 行政院主計処が22日発表した8月の失業率は4.14%で、2005年9月以来の最悪を記録した。1~8月の就業人口の前年同期比成長率は過去5年で最も低い1.31%だった。リストラや倒産などによる失業者が過去3年で最悪の13万3,000人となって同期の失業者全体の29.4%に上るなど、不景気を直接の原因として労働市場が活力を失っていることが分かる。23日付工商時報などが報じた。
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 黄建中主計処第4局副局長によると、ここ数年、7、8月の季節要素調整後の失業率は下落を見せていたが、今年は6月の3.88%から8月は3.93%へと上昇した。

 労働市場の悪化は、労働者の流動率の悪化からも見て取れる。今年1~7月の流動率は2.13%で、過去6年で最悪となった。流動率は従業員100人当たりの新規雇用者の割合である流入率と、100人当たりの離職者の割合である流出率の平均値だ。同期の流入率は2.18%で、流入率は2.07%だった。主計処によると、台湾が順調な経済発展を遂げていた1980年代の流動率は3~5%だったが、最近は企業が採用を絞り、新しい仕事も見つかりにくいため低下している。「台湾人は転職が頻繁」という通念は、実態と乖離(かいり)が生じているようだ。

 8月の工業およびサービス業の就労人口は623万8,000人で、前月比0.58%増加した。製造業の就業人口は前年同月比で1.89%増加したが、小売・卸売、飲食、不動産はいずれも0.5%減少した。建設業、運輸・倉庫、通信・メディア、レジャー・サービスの就業人口はいずれもマイナスとなった。

高学歴者の失業、過去30年で最悪

 8月は大学卒以上の高学歴者の失業率が5.26%で過去23年で最悪、1~8月では4.61%と統計を取り始めた1978年以来で最悪を記録した。8月の大学卒以上の失業者は13万6,000人で失業者全体の3割を占める。1~8月の平均では11万4,000人だ。

 この数値について黄局長は、「以前は就業者100人中、大卒以上の学歴を持つ者は11人くらいだったが、今は22人くらいいる」と語り、過去10年で大学教育が行きわたり、大学以上の学歴を持つ人口が増加したことを最大の原因として指摘した。

 また、失業者の大部分は大学を卒業して間もなく、労働条件への要求が高いために転職が頻繁で、自発的に仕事を辞める者の割合が8割以上に上るとしている。高学歴者の失業者の増加と経済環境の悪化の関連性については、「さらなる観察が必要」という見解だ。