ニュース
社会
作成日:2008年9月24日_記事番号:T00010437
「台北市長はパンを食べてみろ」、メラミン誤情報で市議会混乱
中国河北省の三鹿集団製造の有害物質メラミン入り粉ミルクを使用していると、台北市衛生局から誤情報を発表された市内のパン・ケーキ店12業者は、売り上げが大幅に減少し、頭を抱えている。
この事態を受けて、民進党の張茂楠市議や荘瑞雄市議は23日の台北市議会で、メラミン検査に合格したパンを郝龍斌市長に差し出し、「食べてみせて下さい」と迫った。市長自らがこれらのパンが安全であることを証明し、消費者を安心させるよう求めたのだった。
しかし、郝市長は差し出されたパンを食べようとせず、市議らから起こった「市長、パン食べろ」コールを背に、さっさと休憩室へ引き返してしまった。
市議らから「逃げるな」と罵倒(ばとう)を浴びたが、郝市長は「政治家として、公の場で特定業者のために宣伝することはできないし、議員のパフォーマンスには、付き合っていられない」と怒りの表情を見せた。
その一方で、市の幹部の中には差し出されたパンをパクパクとうまそうに食べたり、1人で2個も食べた者もいた。
なお、台北市では民政局などが、検査に合格した12業者に対し商品の返品を求めており、市衛生局のシロ判定を信用していないことが判明している。
台北市の誤発表によって被害を受けている12業者にとって、市当局の仕打ちはさらに足を引っ張るようなものだ。郝市長は潔くパンをほお張るべきではなかっただろうか。