ニュース 政治 作成日:2022年8月24日_記事番号:T00104378
台湾有事日本の超党派議員連盟、日華議員懇談会(日華懇)の古屋圭司会長(衆議院議員、自民党)は訪台中の23日、蔡英文・総統と会談し、ナンシー・ペロシ米下院議長の訪台を口実に、中国が台湾周辺海域に弾道ミサイルを発射するなど軍事的圧力を強めたことについて、自由、民主主義、法の支配、基本的人権を共通の価値観とする日台の人々にとって絶対に受け入れられないと指摘。日米両国は国際社会との連携を緊密にし、中国による現状変更の試みを阻止していくとした上で、日台も協力を深める考えで一致した。24日付自由時報などが報じた。
古屋会長(左)は、中華民国の建国記念日に当たる10月10日の双十節に、日華懇議員団で再度訪台したいと語った(総統府リリース)
古屋会長は会談で、安倍晋三元首相が生前の2016年に提唱した「自由で開かれたインド太平洋」構想に触れ、台湾海峡の平和と安定については、「わが国の安全保障はもとより、国際社会にとっても極めて重要」と強調。「台湾有事は日本有事」と台湾語(閩南語、ホーロー語)で2回発言し、安倍元首相の遺志を引き継ぐ姿勢を示した。
蔡・総統は、権威主義の拡張と挑発に対し、国際社会は連帯して対応する必要があり、仮に台湾侵攻となれば、民主主義の価値やインド太平洋地域に大きな打撃となると指摘。日台は困難の中でも協力して支え合い、今後も地域の平和と安定を共同で維持し、さらに協力を深めることを期待すると語った。
高鉄の車両調達に言及
古屋会長は会談で日台の具体的な協力として、台湾高速鉄路(高鉄)が進める新車両の調達案件についても触れ、「高鉄は日台の固い友情の象徴で、今後も引き続き高鉄に貢献したい」とアピールした。ただ、総統府が発表したプレスリリースに高鉄に関する発言は記載されなかった。
高鉄の現行車両は日本の新幹線をベースに開発した日本製だ。これまでの報道によると、高鉄は2019年から新車両12編成の調達計画を開始し、20年2月と21年1月に入札を実施したが、日本メーカーの入札金額が相場の約3倍だったため入札不調となり、欧州メーカーと交渉を始めたとみられている。
古屋会長は、頼清徳・副総統、呉釗燮・外交部長、最大野党の国民党の朱立倫・主席、游錫堃・立法院長とも会談し、日台友好やインド太平洋地域の平和と安定について確認し合った。
古屋会長(左2)と木原稔事務局長(衆議院議員、自民党)は23日午後、新北市汐止区の五指山国軍公墓を訪れ、李登輝・元総統の墓参りをした(23日=中央社)
中国、報復措置を表明
中国外交部は23日、古屋会長らは中国の厳正な交渉を顧みず、中国台湾地区を訪れ、内政に干渉したと指摘。「一つの中国」原則や「日中間の四つの基本文書」の精神に反し、台湾の独立派勢力に誤ったシグナルを発信したと非難。中国側は断固とした措置を取り、国家の主権と領土の完全性を守ると表明した。
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