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作成日:2008年9月25日_記事番号:T00010470
若者の世相感を漢字で表現、小劇場が新たな取り組み
台北市のコ嶺街小劇場(コはうしへんに古)で10月30日~11月9日まで、一風変わった公演が催される。日本の漢字能力検定協会が全国公募によって決定している「今年の漢字」をヒントにした、動見体劇団の「漢字寓言:未来形青年観点報告」だ。
舞台に登場するのは、さまざまな分野で活躍中の20代のアーティストたち。2週間の公演期間を前半、後半と分け、10人が5人ずつ交代で演じる。各人の持ち時間は20分だ。
10人の出演者は、自分が選んだ08年の世相を表す「今年の漢字」にまつわる所感を、劇やパントマイム、ダンス、エレキ二胡などの方法で表現する。
選ばれた漢字は、「罰」「泡」「寂」「忘」「譲」「凹」「群」「絶」などの10文字。
これらの漢字が代表する世相は、たとえば、▽官僚汚職▽台湾独立・統一▽青春▽ナイトライフ▽チベット▽台北人▽M型社会▽物価上昇──などなどだ。
企画制作の林人中氏(25)は、この劇を作った動機について、自分たち若い世代が持つ「いかにして人々に見てもらうか、いかにしてもっと多くの観衆を集め市場を確立するか」という焦燥感だと語る。
今回、従来の伝統的な小劇場の公演を打ち破る新たな試みとして、流行ブランド「USED」が衣装を担当し、落書きアーティスト・ブラザーが小劇場の外壁を創作するほか、「漢字お守り」など、関連グッズの販売にも注力する。
この、文化と流行を結合させたアートフェスティバル形式の公演が、現代の台湾でどれくらい受け入れられるか楽しみだ。