沖縄県を訪問中の李登輝元総統は24日、仲井真弘同県知事主催の昼食会で、「歴史的に見て尖閣諸島は日本領土であり、領有権と漁業権の問題は存在しない」という見解を示した。6月に尖閣諸島魚釣島(台湾名・釣魚島)付近で発生した、海上保安庁の巡視船と台湾の遊漁船の衝突事故で、馬英九政権が巡視船を派遣して日本領海内に進入したことについても、「政治的アピールで、漁業権とは関係ない。神経質になる必要はない」と話した。25日付聯合報が報じた。
昼食会であいさつする李元総統。与党寄りの聯合報は「また媚日発言を行った」と伝えた。左は仲井真弘多沖縄県知事(24日=中央社)
李元総統の発言に対し、台湾の駐日代表処は直ちに反応し、「李元総統の『尖閣諸島は日本領土』発言は個人的な見解であり、我が国の『尖閣諸島は中華民国領土に属する』とする立場に変化はない」という声明を発表した。
李元総統は以前から同様の発言を行っているが、今回は日本国内での発言だけに台湾でも注目を集めている。
欧鴻鍊外交部長や、まもなく駐日代表に就任する馮寄台氏も「魚釣島は中華民国領土」と強調したほか、民進党の呂秀蓮前副総統も「李元総統は日本に行くと日本人のように話す」と皮肉を語った。
李元総統はきょう(25日)で5日間の訪日を終え、午前12時前那覇空港に到着し帰台の途に着いた。