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石油・化学
作成日:2008年9月25日_記事番号:T00010491
中油のエチレン契約価格、8月分の遡及値下げせず
国際原油価格が100米ドル近くまで反落し、域内石化業者から台湾中油のエチレンおよびプロピレン契約価格が高すぎるという声が高まる中、先日中油が8月の契約価格を遡及して約200米ドル値下げするとの観測が流れた。しかし、同社石化事業部の黄登祥執行長は24日、「遡及値下げは行わないことを決定した」と表明した。25日付経済日報が報じた。
黄執行長はまた、9月分の石化基本原料契約価格について、▽エチレンは8月に比べ1トン当たり150米ドル値下げして1,500米ドル余り▽プロピレンは同250米ドル値下げして1,300米ドル、▽ブタジエン価格は2,400米ドル前後──とすることで域内川下メーカーと合意に達していると語った。
ただ極東地区のエチレンのスポット価格は既に1トン1,100米ドルまで下落しており、またポリエチレン、ポリプロピレンなど5大汎用樹脂の製品価格も下落していることから、中油からエチレンを購入する川下石化メーカーは利益が計上できず、製品の供給を減らしたり、減産で対応している。
中油は24日、「スポット価格の下落速度には及ばないが、これは前回相場が大きく値上がりした際、当社が直ちに追随していないためだ」としており、9月の契約価格は「完全に計算公式に準拠したもの」と正当性を強調した。