ニュース 政治 作成日:2022年10月11日_記事番号:T00105208
台湾有事中台間の緊張が続く中、蔡英文・総統は中華民国の建国記念日に当たる10月10日の双十節の祝賀式典の演説で、主権と自由で民主的な生活方式を守ることに妥協の余地はなく、武力衝突は両岸(中台)の選択肢ではないと強調。北京当局と共に、理性的、平等、互いに尊重し、台湾海峡の平和と安定を維持する方法を模索することは可能で、共同の責任だと述べ、対話を改めて呼び掛けた。中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の馬暁光・報道官は同日、演説は「二国論」の立場で、両岸関係の性質を歪曲していると反発した。11日付聯合報などが報じた。
蔡・総統は10日、今後、両岸の往来再開で人民の交流が回復し、台湾海峡の緊張緩和につながることを期待すると語った(総統府リリースより)
蔡・総統は双十節の演説で、北京当局が近年、軍事的な威嚇、外交や貿易上の圧力を日に日に強め、中華民国台湾の主権を消滅させようと目論み、台湾海峡や地域の平和と安全の現状を脅かしていることは遺憾だと語った。
蔡・総統は、国際社会は台湾の安全を守ることが、地域の安定と民主主義の価値を守ることだと認識しており、もし台湾の民主主義と自由が破壊されれば、世界の民主主義陣営にとって大きな失敗になると語った。
8月2~3日にナンシー・ペロシ米下院議長が訪台後、中国は4日から10日まで、台湾周辺で弾道ミサイル発射や実弾射撃を含む大規模な軍事演習を実施した。その後も中国軍機が常態的に、台湾と中国の事実上の停戦ラインとされる中間線を越えて飛行している。中国のこうした動きは、中間線を事実上消滅させ、一方的に現状を変更し、台湾海峡の平和と安定を破壊しているとの声が上がっている。
半導体の優位性維持
蔡・総統は、残り2年の任期で、両岸政策の「4つの堅持」のほか、▽経済・産業、▽社会の安全網(セーフティーネット)、▽民主主義と自由、▽国防・戦力──の「4つのレジリエンス(強靭性)」が現段階で、国家発展の最重要目標だと述べた。
蔡・総統は、インフレで世界経済が減速する中、「4つのレジリエンス」のうち、経済・産業が当面の任務だと述べた。コロナ後のサプライチェーン再編が進む中、台湾は今後も半導体産業の優位性を維持すると述べた。
「4つの堅持」の詳細については触れなかった。「4つの堅持」は、21年の双十節式典の演説で掲げた主張で、中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しないことや、▽自由民主、▽主権、▽「中華民国台湾」の前途を台湾の人民の意思で決定すること──を含む。
日米議員も式典出席
双十節の式典には、米下院の科学・宇宙・技術委員会の委員長を務めるエディー・バーニス・ジョンソン議員や、日本の超党派議員連盟、日華議員懇談会(日華懇)の古屋圭司会長(衆議院議員、自民党)率いる議員団19人らも出席した。
古屋会長(前左)率いる日華懇のメンバーと、蔡其昌・立法院副院長(前右)ら立法院の「台日交流聯誼会」の議員がともにパレードに参加し、日台友好をアピールした(10日=中央社)
このほか日本から、「オレンジの悪魔」の異名で知られる京都橘高等学校(京都市伏見区)のマーチングバンドが、総統府前でのパレードでパフォーマンスを披露した。
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