ニュース
社会
作成日:2008年9月30日_記事番号:T00010561
強風で切れた電線が首に、バイクの女子高生が窒息死
台中県致用高中に通う高校3年生の董恵君さん(18)は、裕福とはいえない家庭の負担を減らすため、大学に進学した際に必要な学費を自分で稼ごうとコンビニエンスストアでアルバイトをしていた。そんな親孝行な彼女は台風15号が台湾に上陸した29日深夜、バイトからの帰宅途中、不幸なバイク事故の犠牲となってしまった。
雨の中スクーターを運転する董さんが自宅まで約1キロというところに差し掛かったところ、目の前に突然、台風による強風で切れて垂れ下がっていたとみられる電線が現れ、彼女の首に絡みついた。董さんは衝撃で転倒し道路に強くたたきつけられたが、その後も電線は首に巻きついたままだった。スクーターも5メートル離れた田んぼまで吹き飛ばされた。
目撃者の通報を受けた救急隊員が駆けつけ、意識不明となった董さんに心臓マッサージを16分間にわたって施したが、董さんが再び目を覚ますことはなかった。死因は窒息だった。高美派出所の警察官は、「深夜で視界が悪く電線が目に入らず、転倒した際に頭を打って意識を失い、首に巻き付いた電線を自分でほどくことができなかったのだろう」と推測している。
電線を敷設した西海岸有線電視は「負うべき責任は負う」と話しており、警察も刑事責任を問うかどうか捜査を進めるとしているが、自慢の孝行娘を運の悪い事故で奪われたご両親はやりきれない思いだろう。