週末に台湾を襲った台風15号(アジア名・チャンミー)による全土の工業団地の被害は、宜蘭県蘇澳鎮に位置する龍徳工業区、および太陽エネルギー企業の集積で知られる利沢工業区で最も深刻だったもようだ。なお、実際の被害額はまだ算出されていない。30日付経済日報が報じた。
経済部工業局の統計によると、龍徳工業区は56社、利沢工業区は31社から被害報告があった。龍徳工業区の3分の1の面積を占める、台塑集団(台湾プラスチックグループ)傘下の台湾化学繊維(フォルモサ・ケミカルズ&ファイバー、台化)は、工場の屋根の一部が壊れて強風が中まで吹き込み、コージェネレーションシステムの設備や原料が水にぬれた。利沢工業区では、プリント基板(PCB)大手で、新たに太陽電池生産に参入した燿華電子(ユニテック・プリント・サーキット・ボード)の工場の屋根などが壊れたが、生産ラインに被害はなかった。
龍徳工業区では電力の供給が止まり、利沢工業区では約10棟で停電となった。台湾電力は、両工業区付近の電柱100本以上が倒れたため、30日夜間までに再設置して電力供給を回復させたいとしている。
台中県の大甲幼獅工業区と台中港関連工業区の合計243社からも被害報告があった。両区では、28日は停電となったが29日に回復し、30日から両区内の248社が通常通りの業務を開始した。