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山崩れでも運行継続、猫空ロープウエーの安全性に疑問符


ニュース 社会 作成日:2008年10月1日_記事番号:T00010590

山崩れでも運行継続、猫空ロープウエーの安全性に疑問符

 
 先週末に台湾に上陸した大型の台風15号(アジア名・チャンミー)がもたらした豪雨の影響で、台北市文山区では山崩れが多発した。この山中を運行する猫空ロープウエーは、ルートのすぐ近くで山崩れが起きたにもかかわらず、通常どおりの運行を再開。市民から安全性に疑問が投げ掛けれられている。

 山崩れが発生したのは、万寿路の住宅エリア、政大御花園の上側と新光路2段付近。前者はロープウエーの第16号支柱からわずか10メートルほどしか離れておらず、40メートルにわたって土砂が崩れ落ちた。後者は第15号支柱から約100メートルの位置で、120メートルにわたる土砂崩れのために基幹道路が寸断された。

 これらの被害にもかかわらず、台風が去った翌30日、猫空ロープウエーは通常通り営業。午前9時から午後5時までに1,300人が利用した。

 現地住民は今回の山崩れが起こったのは、ロープウエーによって山の地質に影響が出たためとみており、直ちに運行を停止するよう要求。現地を訪れた林奕華台北市議(国民党)らも、市当局は住民と乗客の安全をないがしろにしていると痛烈に批判した。

 台北市政府はこれに対し、ロープウエーの支柱は地下15メートル深くまで打ち込まれており、そのうち3メートルは岩盤層に達しているため、非常に堅固だと説明。

 また、支柱には傾斜測定器が取りつけられており、少しでも傾けばすぐに通報されるシステムで、29日に専門家が実地調査して、安全に影響はないと判断したことから、通常どおりの運行を決定したという。

 平日で平均約1万人が利用するという猫空ロープウエー、何も起こらないことを祈るしかない。